キム・ジェヨン監督(中央)
キム・ジェヨン監督(中央)
今秋、チョン・ジョンミョン&キム・ミンジョンの共演で期待を集めるロマンティックコメディ映画「夜の女王」が公開される。

キム・ジェヨン の最新ニュースまとめ

 同作品は、偶然発見した妻の疑わしい過去の写真によって、疑心が爆発した小心者の夫が、知られざる妻の黒い歴史を暴いていくラブコメディー。”超”が付くほど小心者の男性と”何か”秘密を抱えていそうな女性が繰り出すハプニングの連続に男女ともに視線を奪われるストーリーだ。

 この作品でメガホンを取ったのは、長編作には初挑戦となるキム・ジェヨン監督。「Going Together」で「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2010」のアジアインターナショナル部門ノミネート経歴をもち、女優イ・ミンジョン主演の映画「ワンダフルラジオ」の脚本を手掛けるなど、韓国映画界で期待を集める監督である。

 なお、映画「夜の女王」は来る10月17日より韓国にて公開される。

-「夜の女王」を制作することになったきっかけ
一言でいうと僕にチャンスが訪れたからです。2012年に公開された「ワンダフルラジオ」でシナリオを書き、映画作品に携わる中で、今回は監督という立場で作品の指揮をとることになりました。撮影をスタートさせたのは昨年だったので、30代になってすぐにチャンスが巡ってきたことになりますね。ずっと長編作品を撮ってみたかったので、良い機会をいただけて光栄でした。

-”小心者の男性”を描くにあたり、具体的にイメージした人は?
具体的な人物像というのはありませんでした。まず、ロマンティックコメディというジャンルしようと決めていて、頭にイメージしていた作品は「ノッティングヒルの恋人」です。平凡な男性と大女優の恋愛というストーリーからヒントをもらい、主人公は小心者で恋愛経験も少なく、ちょっとさえない男性を主人公にしようと思ったのです。実体験や具体的な人物を通してではなく、僕の想像の中でキャラクターを作り上げました。

-チョン・ジョンミョン&キム・ミンジョンを主演にキャスティングした背景
プロデューサーやスタッフ全員で話し合ってキャスティングしました。まず、チョン・ジョンミョンさんはソフトで可愛らしいイメージの方ですよね。劇中の男性主人公には、妻の過去に疑いをもつというポイントがありますので、その人物があまりにタフで男らしい人物では、マッチしませんし、観客は違和感を感じると思ったのです。そこで、物腰が柔らかくキュートなイメージの俳優を起用しようということで一致し、ジョンミョンさんを選びました。そして、彼が何よりシナリオを気に入ってくれたことが、最大の理由です。それから、キム・ミンジョンさんの場合は、韓国女優の中で最も美しい女性の一人であり、演技経験が豊かである点が魅力的でした。劇中の女性主人公は様々な顔をもつ女性なので、その姿をうまく表現するのに彼女がふさわしいと判断しました。

-撮影中に起こったエピソード
幸いなことに特別な”事件”は起きなかったのですが(笑)、とにかく準備することが多かったです。撮影期間は3か月だったのですが、その期間は休む間もなく撮影をしました。ジョンミョンさんは初めてのコメディ映画だったため、自身もうまくやれるかと心配をしていたようだったので、何度も話し合いをしながら一緒に作り上げていきました。タイトなスケジュールの中で、出演者たちはよく頑張ってくれたと思います。

-撮影をするにあたり、最もこだわった部分は?
この映画はロマンティックコメディというジャンルなので、見る人が親近感をもてるように、という思いが一番強かったです。

-「ロマンティックコメディ」というジャンルの難しさ
ロマンティックコメディというジャンルの映画は、音楽で例えればポップソングだと思います。何かを伝達しようとするとき、シリアスな作品に比べると(ロマンティックコメディ作品は)核心に迫ることが難しいので、この作品で僕自身が何かメッセージを伝えるという意図はありません。演出者の立場から言えば、メッセージを伝えるには難しいジャンルである分、観客にとっては最も近づきやすいジャンルだと思います。映画を観賞する2時間で観客の皆さんが楽しみ、明るい気持ちで劇場を後にしてくださればと思っています。もし、次にメッセージ性のある作品に携わるとすれば、僕はスリラーというジャンルを選択するでしょう。

-映画監督になったきっかけ
小さい頃から映画監督になるのが夢でした。映画を見ることが好きで、家で一人で過ごすときはビデオを借りてきて、映画を見て過ごすのが僕の日常でもありました。

-日本映画の中で一番好きな作品
岩井俊二監督の「ラブレター」が大好きで、何度も繰り返し見ました。映画には、様々なジャンルがありますが、僕は日本映画というものが一つのジャンルだと思っています。「ラブレター」は初めて見た日本映画でもありますが、同じ作品でも2回、3回と見る価値、魅力があります。

-自身の映画に起用してみたい日本の役者
女優の広末涼子さんです。「秘密」という作品を見てから彼女の演技に引かれたのですが、「愛なんていらねえよ、夏」というドラマでも印象的な演技をしていました。

-日本での韓流ブームについて
今回来日して、現在も韓流人気が続いていることを知り、正直「いまだに?」と驚きました(笑)。コンテンツを作る側としては、とてもありがたく、それと同時にとても興味深い現象でもあります。皆さんも感じるかもしれませんが、日本と韓国は距離的にはとても近いですが、文化的な側面で見ると異なる部分がとても多いですよね。違った面がたくさんあるということは、お互いにとって学ぶべきことが多いというメリットにもなるので、映画を含む大衆文化を通して、今後も意味深い文化交流が続いていけばと願っています。

-日本にいる韓国映画ファンへメッセージ
純粋に作品を楽しんでいただければうれしいです。初めから何かを学ぼうと映画を見るわけではないですよね。(作品を)見たことで自然と何かを感じ、瞬間を楽しむツールが映画だと思っています。「夜の女王」はロマンティックコメディというジャンルの作品で、とにかく楽しさを追求して作り上げたものなので、見る方も十分に「楽しい」という感情を味わっていただければうれしいです。まだ具体的な計画はありませんが、いつの日か日本で公開される日がきたら、ぜひ劇場に足を運んでください!

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