【ソウル23日聯合ニュース】韓米研究陣が、人体細胞でDNAが損傷した際に遺伝子の生死を決定する分子レベルのメカニズムを解明した。
 米サンディエゴ・カリフォルニア大学のローゼンフェルド教授、西江大学・生命科学科のチュ・ボンゴン教授チームは22日、動物の耳や目、腎臓などの発生に重要とされる「Eya」転写因子が、DNA損傷時に修復とアポトーシス(細胞の自然死)を決定するスイッチの役割を果たす事実を解明したと明らかにした。研究結果は国際学術誌「ネイチャー」電子版に23日付で掲載された。

 生命体は常にDNA損傷による突然変異のリスクを持っており、DNAの損傷が十分に修復しなければ、アポトーシスが起こったりがんなどの疾病が発生する危険性が高まる。細胞はDNA損傷を修復するため精巧なメカニズムで損傷を認識し、これを修復する能力を備えているが、その正確なメカニズムは解明されていなかった。

 研究陣は、DNAが損傷した場合、Eyaタンパク質が損傷を表す代表的なタンパク質(ヒストン)「H2AX」のチロシンアミノ酸を脱リン酸化させ、DNAが正常に修復されるようにする事実を確認した。Eyaタンパク質に突然変異が起きたり、十分に作動しないと、ヒストンH2AXタンパク質が正常なDNA損傷修復に必要なタンパク質の代わりに細胞の自然死を引き起こすタンパク質と結合し、アポトーシスが起こると解明された。

 ヒトの場合、Eya遺伝子に突然変異が起きると「鰓弓耳腎症候群(BOR症候群)」が発生し、耳が聞こえなくなったり腎臓が破壊される。特に腎臓の場合は腎臓透析や移植の必要に迫られると、研究陣は説明した。Eya転写因子の新たな機能を明らかにしたことで、DNAの損傷やアポトーシスの分子生物学的マーカーを開発し、BOR症候群の発病原因を解明できたとしている。

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