韓国銀行は最近、韓国経済の成長と株式市場で影響力がさらに大きくなっている半導体の輸出について、今年は物量の増加を中心に好調だったが、来年は価格上昇の勢いに支えられて現在の勢いを継続するものと見通している。ただし、AIバブルの懸念と米国の関税政策によって半導体輸出が大きな影響を受ける可能性があるため、世界の環境の変化を見守る必要があると付け加えた。

韓国銀行調査局は5日、公式ブログに掲載した「半導体輸出をもう一歩深掘りする」というタイトルの文章で、「今年の10月までの半導体の輸出額は前年同期に比べて約17%増えたが、これはほぼ全面的に物量の増加(プラス17%)が起因しており、価格要因の影響は微々たるものだった」と明らかにした。

半導体の輸出物量は今年の1月から2月には一時的に停滞していたが、3月以降は前年同月に比べて明確に増加している。サーバー市場を中心にメモリー半導体全般の需要が拡大したことが影響を及ぼしたと説明している。AIデータセンターの新規投資と既存サーバーのメモリー交換のために半導体需要が全般的に拡大した。米国の関税賦課の可能性が浮上し、DDR4の生産中止を控えてあらかじめ物量を確保しようとする需要も加わった。AIインフラへの投資拡大の中で、高性能な半導体の割合が増えた点も輸出物量の増加に寄与した。

これに伴い、価格要因を調整して物量をベースに成長寄与度を算出する実質国内総生産(GDP)では、半導体の輸出が今年の韓国の経済成長に寄与したと韓国銀行では説明している。

半導体輸出価格は昨年の下半期にメモリー市場の不振により下落傾向を示していたが、今年に入って上昇転換し、9月に入ってようやく前年の水準を回復した。韓国銀行調査局のクォン・ヨンスン課長は「今年の10月以降は半導体の製造業者などが高性能な製品の生産に集中し、汎用DRAMの供給が不足すると見る市場の予想が強化され、DRAM価格の上昇の勢いがより一層増した」と述べ、「NANDフラッシュなど他の製品の価格上昇圧力も加わり、半導体輸出価格全体が本格的な上昇の流れを示し始めた」と説明している。

韓国銀行は、来年も半導体の輸出量は増加すると予想しているが、そのスピードは今年に比べて鈍化すると見通している。世界のビッグテック企業のAIインフラへの投資の増加傾向が緩やかになるものと予想され、韓国国内の半導体企業が最近AIに端を発した需要の急増にもかかわらず、これまでより投資に慎重な姿勢を取っているためだ。

汎用半導体の価格上昇の勢いは相当期間続くものと予想している。半導体企業の生産ラインが高性能な製品中心に転換され、従来の汎用製品の供給余力がさらに縮小されたためだ。

クォン課長は「来年の半導体輸出は主に価格上昇に支えられ、好調を維持するだろう」と述べ、「半導体通関輸出金額は今年よりもさらに好調な推移を見せる見通しだが、半導体の実質的な輸出量の増加傾向は今年より鈍化する可能性が高い」と述べた。

さらに韓国銀行は、「現在、関連市場で提起されているAIバブルへの懸念や、米国の半導体関税政策の不確実性を考慮すると、今後の半導体輸出の展望が大きく変わる恐れがある」と付け加えた。クォン課長は「最近半導体の輸出が急速に増え、韓国経済の成長に及ぼす影響もそれだけ大きくなっている」と述べて「世界の需要変化とこれに対する企業の対応により、半導体の輸出量と価格が大きく変わりうるため、世界の需給条件と政策環境の変化を同時に見守ることが重要だ」と強調している。
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