◇ファクトシートに「有事作戦統制権の移管に協力」
ファクトシートには「両首脳は有事作戦統制権の移管のため、協力を継続することにした」との内容が盛り込まれた。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領はファクトシートの内容を発表する記者会見で、「国防力の強化、有事作戦統制権の移管を通じ、朝鮮半島防衛に対する私たちの主導的な意志を表明し、米国はこれを支持し支援する意志を強く表明した」と明らかにした。
両国の国防相は4日にソウルで開かれた定例安保協議(SCM)で、有事作戦統制権の移管を巡り、3段階の検証のうち2段階目である未来連合軍司令部の完全運用能力(FOC)に関する検証を2026年までに終えることで合意したとされる。
有事作戦統制権の移管は▼初期作戦運用能力(IOC)▼完全運用能力▼完全任務遂行能力(FMC)――の3段階の検証を経る。現在は完全運用能力の評価を終えて検証が進められている。来年中に検証が終われば、最終段階の完全任務遂行能力の評価・検証に移行する。2027年から完全任務遂行能力の検証に着手し、両国指導者の政治的な決断が下されば、李政権の任期(30年6月まで)内の移管が可能となる。
韓国の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は記者会見で、有事作戦統制権の移管に関し、「順調に進められており、(両国が)同じ意見を持っている」として、現政権の任期内の移管が可能との見通しを示した。
◇在韓米軍の駐留継続を明示 韓国の国防費引き上げ・米製兵器購入も
ファクトシートにはトランプ第2次政権発足後、役割や規模の変化の可能性が取り沙汰された在韓米軍に関する合意内容も含まれた。
米国は在韓米軍の駐留継続を通じた韓国に対する防衛公約を改めて表明した。ただ、現在の在韓米軍の兵力約2万8500人を維持するとの文言はなかった。
在韓米軍の戦略的な柔軟性については、「双方は2006年以来の関連了解を確認する」との内容が盛り込まれた。「韓国は在韓米軍の戦略的柔軟性の必要性を尊重し、米国は韓国が韓国国民の意志と関係なく北東アジア地域の紛争に介入されることはないという韓国の立場を尊重する」とした06年の両国合意を改めて確認した。
また、韓国が在韓米軍のため、330億ドル相当の包括的な支援を提供するとした。駐留経費負担など韓国が在韓米軍に無償で提供している施設や土地などを含めるものとみられる。
韓国の国防費を巡っては、GDP比3.5%に引き上げることで合意した。「10年以内」との目標時期が盛り込まれるとの見方もあったが、「可能な限り早期に」とし、具体的な時期は明示しなかった。韓国政府は毎年8%ずつ国防費を増額し、2035年より前にGDP比3.5%の目標を達成する方針とされる。
韓国が2030年までに米国製の軍事装備購入に250億ドルを支出するとの内容も盛り込まれた。
李大統領によると、両国は米国の商船だけでなく、米海軍の艦艇も韓国で建造できるよう、制度的な改善策を模索することで合意した。米国は海軍の艦艇を海外で建造することを規制しているが、韓国と制度改善を議論するとみられる。
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