予約殺到「美容整形」受験生向けキャンペーン=韓国
予約殺到「美容整形」受験生向けキャンペーン=韓国
「今すぐ相談日程を決めないと、手術は1月以降にずれ込む可能性が高い。手術後の回復期間まで考慮すると、できるだけ今日中に相談日程を確定されたほうがいい」

2026学年度大学修学能力試験(日本の大学入試センターに相当)が3日後に迫った10日午後、韓国ソウル市カンナム(江南)区シンサ(新沙)洞にある某美容外科クリニック。相談スタッフが、予定が書かれたカレンダーを見せながらこう述べた。このスタッフは「数年前までは大学修学能力試験が終わった後に相談の問い合わせが本格的に始まっていたが、最近は9〜10月から相談の問い合わせが急増している」とした。

まだ受験は終わっていないが、美容外科にはすでに受験生からの相談問い合わせが殺到している。通常は試験が終わった後に美容外科を訪れる受験生が多いが、最近はSNSや美容プラットフォームを通じて様々な整形の口コミや体験談を容易に探せるようになったことで、関心がより早まったためだ。さらに、多くの美容外科が実施している「受験生割引イベント」も、学生らの心をつかんでいる。

イーデイリーが10日午前、ソウル市江南区にある10カ所の美容外科に問い合わせたところ、6か所が「週末は年末まで相談予約がいっぱいで、日程調整が難しいため、できるだけ平日に予約したほうがいい」と答えた。美容外科を訪れる男女比にも変化が見られる。パラディア美容外科のユン・ソンホ院長は「5年前までは相談で来院する学生の90%が女子学生だったが、最近は男子学生の来院も大幅に増えている。最近の相談問い合わせのうち20〜30%は男子学生だ」とした。

現行の医療法上、未成年者が美容外科手術を受けるためには保護者の同意が必要である。このため、一部の美容外科では10〜30%程度の「受験生割引」とともに、保護者向けのキャンペーンも展開している。たとえば、受験生の子どもが手術を受けると保護者に無料でボトックスを提供したり、眼瞼下垂(まぶたが下がる症状)の矯正などを割引価格で受けられるようにする方式だ。

好況を迎えているのは美容外科だけではない。皮膚科や、歯列矯正・セラミック歯などを行う歯科、眼科などでも「受験生割引イベント」を掲げている。ソウルのある眼科は「受験票割引イベントは11月中旬から来年2月までだが、受験生からの問い合わせが多く、11月分の手術予約はすでに埋まっている状況だ」と語った。

しかし専門家らは、美容整形や施術を決める前には慎重な検討が必要だと助言している。

美容整形プラットフォームやオンラインコミュニティーなどでは価格を前面に出した広告が多く、SNSを通じた「整形レビュー」もあふれているため心理的なハードルが低くなっているが、美容整形手術は一度決めてしまうと元に戻せないケースが多く、再手術にはより多くの努力と費用がかかる可能性があるからだ。

パン・ジュンソプ大韓整形外科学会副会長は「美容整形手術は副作用の可能性もあり、専門的な技術が必要な手術である。しかし価格だけを強調して宣伝するところが増えているのが懸念される。若者が整形手術を受ける前には、自分に本当に必要な手術なのかを保護者や整形外科専門医と十分に相談するべきである」と述べた。

ハンリム大学聖心病院精神健康医学科のホン・ヒョンジュ教授は「若者が外見を磨くのは自然な現象だが、最近は自身のアイデンティティーを外見だけに限定する文化が広まっているようで、やや懸念される。教科書的な言い方になるが、外見だけでなく自分のアイデンティティーを多様に探る努力が必要だ」と助言した。

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