【ソウル22日聯合】サムスン電子は22日、フラッシュメモリーカード最大手の米サンディスクに対する買収提案を撤回した。同社の株式2億2500万株を1株当たり26ドル(総額58億5000万ドル)で全額現金で買い入れると提案していたが、世界的な経済環境悪化などの状況変化により、サムスン電子株主の利益に沿わないと判断した。
 サムスン電子は同日、サンディスクのハラリ最高経営責任者(CEO)会長と理事会副議長あてに書簡を送り、「サムスンはこの半年、友好的な合併交渉に努めてきたが、サンディスクの拒否で交渉に進展がなく、買収提案を撤回するとした」と伝え、買収が実現されなかったことに失望感を示した。金融危機など最近の経済環境の悪化、サンディスクの7~9月期大幅赤字と業績改善見通しの不透明感、東芝との提携再交渉、人員調整計画などの要因を挙げながら、サンディスクの企業価値はさらに悪化しかねず、提示した価格での買収推進にはこれ以上関心がないと強調した。

 サムスン電子は、今回の買収提案は取り下げたものの、新たな事業チャンス創出と成長エンジン発掘に向け、内外企業との協力、提携、合弁などの可能性を常に幅広く検討していく計画だとしている。

 サムスン電子は毎年数億ドルに達する知的財産権使用料の節減とフラッシュメモリー市場の掌握力強化を目的に、5月に初めて買収を提案、9月に具体的な買収価格を正式提示した。これに対しサンディスクは、株式を著しく低評価したとして拒否し、株式がサムスン電子に渡ることを防ぐため、このほど東芝に半導体生産設備を一部売却すると決めている。経営陣のこうした動きにサムスン電子への売却を望む株主が失望し株価が急落すると、サムスン電子は提案価格と大きな開きが生じたとし、提案撤回に至った。

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