李大統領は「政争の手段に転落した安全保障と平和、無関心と無能・無責任で崩れた国民の生活と経済、装甲車と自動小銃によって破壊された民主主義を再び立て直す時間だ」とし、「偉大な光の革命は内乱終息を超え、光り輝く新しい国をつくるよう命令している」と強調した。「われわれは今、大転換の分岐点に立っている」とした上で、「国民生活、経済、外交、安全保障、民主主義の全ての領域で、絡まった糸のように複雑に重なった複合危機に直面している」と指摘した。
また「塀の影からも日の光を探し出し花を咲かせる6月のバラのように、わが国民は混沌と絶望の中でも進む方向を見つけた」とし、「主権者の国民の意向を針路とし、険しい山を越え、いばらの道であっても前進していく」と約束した。
李大統領は「古い理念は歴史の博物館に送ろう」と呼び掛けるとともに、保革を問わず朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の政策も、金大中(キム・デジュン)元大統領の政策も有用であれば区別せずに使う考えを示した。
新政府を実用的市場主義政府と位置づけ、「統制し管理する政府ではなく、支援し激励する政府を目指す。創造的で能動的な企業活動を保障するために規制はネガティブ中心に変更する」と約束した。
その上で「国民の生命と安全、労働者の正当な権利を脅かし、不当に弱者を抑圧し、株価操作のような不公正取引で市場の秩序を脅かすなど規則を破って利益を得ること、規則を守って被害を受けることは決して容認しない」と強調した。
外交・安保政策に関連し「国益中心の実用外交を通じて、グローバル経済・安保環境の大転換の危機を国益の最大化の機会にする」とし、「強固な韓米同盟を土台に韓米日協力を固め、周辺国との関係も国益と実用の観点でアプローチする」と述べた。
李大統領は「再び力強く成長し発展する国」を打ち出し、新たな成長エンジンをつくるとし、「成長の機会と結果を分かち合う公正な成長がより良い世の中の扉を開くだろう」と語った。
AI、半導体など先端技術産業に対する大々的な投資と支援、気候変動への対応に向けた再生可能エネルギー中心の社会への転換なども約束した。
李大統領は、持続的な成長のためには成長発展戦略の大転換が必要だとし、「均衡発展、公正成長戦略、公正社会へと進むべきだ」と強調した。
併せて、「文化が花開く国をつくる」との考えも示し、「大韓民国の文化産業をさらに大きく育成する。文化芸術への積極的な支援でコンテンツの世界標準を再びつくる文化強国、グローバルソフトパワー5大強国へと飛躍する」と述べた。
李大統領は「安全で平和な国」の重要性も強調した。2014年に南西部の全羅南道・珍島沖で旅客船セウォル号が沈没した事故、22年にソウル・梨泰院で159人が死亡した雑踏事故、23年に中部の忠清北道清州市・五松で起きた地下車道の浸水事故など社会的惨事の真相を明確に究明し、国民の生命と財産が脅かされることのない安全社会を建設すると表明した。
続けて、北朝鮮の国内総生産(GDP)の2倍に上る国防費と世界5位の軍事力、韓米軍事同盟に基づく強力な抑止力で北朝鮮の核と軍事挑発に備える一方、北朝鮮との意思疎通を図る窓口を開き、対話と協力を通じて朝鮮半島の平和を構築すると述べた。
李大統領は「不法な戒厳で失墜した軍の名誉と国民の信頼を回復し、二度と軍が政治に動員されないようにする」と約束した。
「名実と共に国民が主人の国を作る」とし、「光の広場に集まった社会大改革の課題を揺るぎなく推進する」との方針を示した。
アジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した韓国の作家、韓江(ハン・ガン)の言葉を引用し、「過去が現在を助け、死者が生者を救った」とし、「これからはわれわれが未来の過去となって明日の子孫たちを救う番だ」と語った。「深く大きい傷の上に希望の花を咲かせよという峻厳な命令と完全に新しい国を作ってほしいという切なる願いに応えていく」と強調した。
李大統領は「小さな違いを超え互いに認めて尊重し、国民が主人の国、国民が幸福な国、真の大韓民国に向かって共に進もう」と呼び掛けた。
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