北朝鮮は先月30日、中距離弾道ミサイル「火星-12型」を発射した(画像提供:wowkorea)
北朝鮮は先月30日、中距離弾道ミサイル「火星-12型」を発射した(画像提供:wowkorea)
北朝鮮が先月30日に発射した中距離弾道ミサイル(IRBM)「火星-12型」に関して、“核実験および大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験のモラトリアム(猶予)”の「破棄か」あるいは「まだ維持か」という解釈が様々飛び交っている。

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北朝鮮がすでにモラトリアムの撤回を示唆した状況の中、2017年11月のICBM「火星-15型」の発射以降、最大の武力示威である「火星-12型」を発射したことで、その性格に対する診断が様々なされている状況だ。

いったん米国と韓国は「北朝鮮は、まだモラトリアムを破棄していない」という解釈に重きを置いている。ムン・ジェイン(文在寅)大統領は、北朝鮮による火星-12型発射当日に主宰した国家安保会議(NSC)の緊急会議で「IRBM発射であれば、モラトリアム宣言を破棄する直前に近づいたものと考える」と言及したのが、その代表的なものだ。この発言は「まだレッドラインを越えていない」という認識を意味している。

米国務省と国防省も、北朝鮮の火星-12型発射後「国連安保理決議違反として糾弾する」という見解を明らかにしたが「モラトリアムの破棄」とは規定しなかった。

一方、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、北朝鮮の今回の発射について「糾弾する」とし「北朝鮮が宣言したこのような種類の発射に対するモラトリアムの違反であり、明白な国連安保理決議違反だ」と規定した。グテーレス事務総長が「モラトリアムの違反だ」と判断した具体的な理由は明らかにされていないが、それほど北朝鮮の挑発を重く受け止めたものとみられる。

専門家たちの間でも「北朝鮮のモラトリアム破棄」という評価が一部出ている。米韓が火星-12型を「“中距離”弾道ミサイル」とみなしていることとは異なり、北朝鮮自身が「“中長距離”弾道ミサイル」と定義していることに加え、北朝鮮のモラトリアム宣言はICBMだけでなく中長距離弾道ミサイルまで含まれているという理由からである。

キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は、2018年4月20日の朝鮮労働党中央委員会全体会議で「いまや我々には、どのような核実験も中長距離・大陸間弾道ロケットの試験発射も必要なくなった」として、モラトリアムの対象を核・ICBMと中長距離弾道ミサイルまで言及している。

ただ「北朝鮮のモラトリアム破棄宣言は、より直接的なかたちでなされる」という見方が優勢である。北朝鮮がモラトリアム宣言をした時、中央委員会の全体会議という公式手続きを踏んだことから、これを撤回する時も同様の手順を踏む可能性が高いということである。

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