朝鮮王朝時代の主要なできごとを記録した「朝鮮王室儀軌」の返還を求めている団体が、パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部を訪問し、日本が所蔵している明成皇后国葬都監などの資料返還問題について担当者と協議した。朝鮮王室儀軌還収委員会が9日に明らかにした。

 委員会によると、これらの記録を収めた資料72点が日本の宮内庁皇室図書館に所蔵されている。この日の協議でユネスコの文化財担当者は「韓国政府が要請するなら、文化財の返還に向けた調停委員会を開くことができ、相手国が応じない場合には勧告案を出すこともできる」と説明した。

 ユネスコが1970年に採択した文化財の不法搬出入と所有権譲渡の禁止などを定めた条約では、「外国の軍隊により占領され発生した強制的な文化財の持ち出しや所有権の譲渡は不法とみなす」と規定されている。しかし遡及適用を認めていないため、略奪されたものかどうかにかかわらず、この部分ではユネスコとして判断はできないとしている。

 委員会関係者は「国際機関に仲裁を要請することは、韓日協定の限界を乗り越える重要な契機になる。これまで協定の請求権問題で文化財返還を事実上あきらめていた韓国政府の役割が期待される」と話している。


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