事故調査の発表会見で、事故現場から引き揚げられた機体の主要部分について説明している=18日、ソウル(聯合)
事故調査の発表会見で、事故現場から引き揚げられた機体の主要部分について説明している=18日、ソウル(聯合)
慶尚北道浦項沖で6月7日に墜落した韓国空軍の次期主力戦闘機F-15Kの事故原因は、機体の高度を上げる際にかかった重力に耐えられず操縦士が意識を失ったためだとわかった。空軍の金銀基(キム・ウンギ)参謀次長が18日、明らかにした。

 金次長は、「事故機の機体やエンジンには何の欠陥も見つからなかった」とし、操縦士が飛行高度が下がった状態を修正する時に重力加速度(G)のために意識喪失(G-LOC)し海上に墜落したと説明した。G-LOCは、戦闘機の出力速度が一般人が耐えられる6Gより高い7~9Gまで上昇した場合に、操縦士の脳を流れる血液量が減少することで一時的に発生する現象を指す。

 2人の操縦士が同時に意識を喪失したとする空軍側の説明に対し、理解できないとの見方もある。しかし空軍は、今回の事故は機体やエンジンの欠陥でも操縦士のミスによるものでもないとの判断している。そのため、機体やエンジンメーカーに戦闘機価格約1000億ウォンの賠償も請求できなくなった。

 空軍は事故の再発防止を目指し、操縦士の航空生理訓練体系を補完するとともに新型G-LOC訓練装備を導入する計画だ。操縦士全員を対象に今回の事故原因と再発防止策について教育も実施する。また、F-15Kの飛行訓練は21日から再開し、任務の難易度は段階的に高めることにした。

 金次長は、合計40機を導入するF-15K戦力化計画について、計画通りに進める方針を示した。F-15Kは、墜落機を含めこれまで6機が導入された。

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