京畿道・安山の政府合同焼香所から犠牲者の遺影を抱えてきた遺族らは、「KBS局長がセウォル号犠牲者の数を交通事故の死者数と比較する発言をした」と非難し、当該幹部の免職や社長の公開謝罪などを要求した。
建物への立ち入りを防ごうとする警察と、約4時間にわたりにらみ合いが続いた。途中で野党議員らが仲裁し、遺族側の代表約10人が本館内に入り話し合ったが決裂。遺族らは朴槿恵(パク・クネ)大統領に会う必要があるとし、青瓦台(大統領府)に向かった。
9日午前4時前、遺族らは青瓦台への道筋にある住民センター前で警察に道をふさがれた。青瓦台周辺には警察の13個中隊約900人が配置されていた。
遺族らは先に進めないままその場で、修学旅行中に事故に巻き込まれた高校生の携帯電話から復旧した複数の動画を公開した。それぞれ20~40秒の動画には、傾く船の中で救命胴衣を着て待っていたり上へ登ろうとして滑ったりする高校生たちの姿が映っている。動かないよう呼びかける船内の案内放送も聞こえる。
このうち一つの動画について、遺族側は事故当日の先月16日午後6時38分ごろ撮影されたものだと主張した。
韓国のあるメディアは今月4日、KBS報道局の幹部が会食の席で「セウォル号の事故は300人が一度に死亡し、多いようにみえるが、交通事故による年間の死者数を考えるとさほど多いものではない」と発言したと報じた。これに対しKBSは9日、ホームページ上でこの発言について、「ひと月に交通事故だけで500人が死亡するにもかかわらず、これまでこうした問題に鈍感だった。今回の惨事を契機に韓国社会の『安全不感症』に警鐘を鳴らす報道をすべきだという趣旨」と釈明した。
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