【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の趙泰永(チョ・テヨン)報道官は30日の定例記者会見で、ラオスから追放され、28日に北朝鮮に送還された北朝鮮脱出住民(脱北者)9人の中に日本人拉致被害者の女性の息子がいたとする一部メディアの報道に対し、「何も知らない」と述べた。「そうした情報がないという意味か」と尋ねられると「そうだ」と答えた。
 一方、韓国政府が安易な対応をしたために9人が北朝鮮に送還されたとの批判に対しては、「政府は脱北者が韓国行きを希望すれば受け入れるという方針の下、これを実現するため最善の努力を傾けている。(手続き上の)不備が見つかれば補完し、ベストを尽くす」と強調した。
 9人のうち、母親が日本人と伝えられているのはムン・チョルさん(22)。ムンさんの親戚を名乗る脱北者は同日、聯合ニュースの取材に対し「ムンさんの母親は日本人と承知している。韓国国家情報院の職員とラオスの韓国大使館職員からこれに関する確認の電話を受けた」と話した。ムンさんはラオス当局の調査で、母親が日本人だと話したとされる。
 ただ、ムンさんの母親が日本人拉致被害者なのか、在日朝鮮人の帰還事業で北朝鮮へ渡った日本人妻なのかは確認されていない。
 日本のメディアは、ムンさんが1977年に消息を絶った拉致被害者、松本京子さんの息子の可能性があると報じている。

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