ここ数年間、スパイを扱った映画が溢れている。最近でも南派工作員を素材にした映画が2本続けてお目見えする。これまでの映画のような理念葛藤とは距離があるようだ。

キム・スヒョン の最新ニュースまとめ

 「同窓生」高校生になった南派工作員。人気グループのメンバーを主演にしたこの映画は興味深い設定から出発する。主人公は妹と友人を守ろうとする思いだけで、理念的葛藤や苦悩とはかけ離れている。同日公開する「赤い家族」は家族愛に焦点を合わせている。韓国で偽りの家族として過ごす北朝鮮工作員たちは、隣の家族を見ながら本当の家族のように変化していく。

 映画でのスパイはたびたび魅力的なキャラクターとして描かれる。“花スパイ”という言葉まで出るほど。上半期700万人を動員したキム・スヒョン主演「密かに偉大に」が代表的だ。劇中のスパイたちは肉体的・知的に優れているが、人間的な面も多々ある。

 これらを踏まえ、スパイが娯楽ファンタジーとして捉えられるという評価がある。しかし、興行を追うことが分断という厳然な現実さえ見逃すという指摘もある。

 若い観客の趣向に合わせた政治的理念から、自由なスパイは登場し続けるだろう