昔から社会問題となっている青少年たちの逸脱行為。果たして子どもたちはどのような心理を持っているのだろうか。韓国国内で初めて、少年院と保護観察所で映画試写会が行われた。先日「第25回東京国際映画祭」において2冠に輝いた「未熟な犯罪者」だ。

 唯一の家族は病気の祖父。少年は友人たちとともに少年院に入ることになる。13年ぶりに突然現れた母親ときちんと生きていこうとする少年。しかし、周囲の環境はますます彼を「犯罪少年」へと追いやる。韓国映画「未熟な犯罪者」は犯罪を犯す子どもたちの心理と彼らを眺める大人たちの冷たい視線を描いた作品だ。

 200人以上の青少年とともに初めて、少年院と保護観察所で開かれた試写会。居眠りをする少年たちも見受けられたが、ほとんどが自分自身のことかのようにスクリーンへ没頭する。一般人にはわからない保護観察所の規定を説明するシーンでは、爆笑が起こったりもした。

 上映が終了し、制作陣・出演陣との<br>トークタイムへ。青少年なら誰しも抱く質問が飛び交った。

 国家人権員会が企画・制作した映画。「6つの視線」(2002年)をはじめ8本の人権に関する映画を制作してきた。「未熟な犯罪者」は9作品目となる。更生を夢見る保護施設の青少年たち。過去を反省し、今を見つめるのに、映画は小さな力となった。