TVで活動してきた女優チョ・ミンスが「第69回ベネチア国際映画祭」金獅子賞受賞作「ピエタ」で世界の映画人から注目を浴びた。惜しくも主演女優賞は逃したそうだが、男性キャラクターに視線が集まるキム・ギドク監督の映画では、異例のことのようだ。

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 多くの男に体を売り…、女子高生が売春婦になって、死んだ友人の代わりに売春に立ち向かう。社会的弱者である女性に加えられる肉体的・精神的暴力の残酷な描写。キム・ギドク監督作品の代表的な特徴の一つだ。劇中、悲惨な目に遭う女性主人公の熱心さ。その姿を避けたいと思う観客の心をつかむことができなかった。

 反対に男性主人公が常に彼の映画の中心に立っていた。「キム・ギドク監督のペルソナ」と評価されたチョ・ジェヒョン、俳優人生の転機を迎えたかったビッグスター、チャン・ドンゴン、最近の「忠武路(チュンムロ)の大勢」となったハ・ジョンウもキム監督の“お得意さん”だった。

 しかし「ピエタ」は違う。ミケランジェロの彫刻品「ピエタ」をモチーフにした同映画は、主人公ガンドの改心を引き出す母の役割が重要な作品だ。爆発的なエネルギーを発する女優チョ・ミンスは適役だった。

 子供を失い悲しみに陥る母の姿チョ・ミンスはドラマで培った効力を十分に発揮し、光を放った。映画祭ではチョ・ミンスが主演女優賞の最有力候補だった。審査員及び映画関係者は閉幕式後の披露宴で「チョ・ミンスの主演女優賞は満場一致だった」という見解を話すほど。しかし、最高賞を獲得した作品が他の主要部門では受賞不可能なため、賞を逃したとのことだ。

 映画「Man」以降、主演では17年ぶりに映画出演を果たしホームランを打った彼女。映画のメッカ、忠武路は今“女優”チョ・ミンスに注目している。