米国に端を発した「バンクデミック」の恐怖拡がる…先制的対応策が急がれる=韓国報道(画像提供:wowkorea)
米国に端を発した「バンクデミック」の恐怖拡がる…先制的対応策が急がれる=韓国報道(画像提供:wowkorea)
シリコンバレー銀行の破綻など米国に端を発した銀行危機の波紋が、クレディ・スイスを経てドイツ最大の銀行であるドイツ銀行にまで及んでいる。同銀行の株価は24日、取引中に一時15%近く暴落し、今月初めまで1%を下回っていた信用不渡りスワップ(CDS)プレミアムは倍を越える2.2%にまで達している。スイスの金融当局がクレディ・スイスが発行した170億ドル(約2兆2000億円)規模の条件付き転換社債を全額償却処理することを決め、銀行債の安全性に対する信頼が下落したことが影響したものだ。しかし、この銀行の資産規模や財務の健全性を考慮すると、危機説は誇張されているとする見方が支配的だ。

このことは金融市場全般にわたって恐怖感が非理性的に蔓延(まんえん)していることを示している。このため、差し当たって大きな問題がないにもかかわらず、小さな悪材料に対しても不安心理が無分別に拡がり、金融システム全体を揺るがしている。シリコンバレー銀行の投資資産の大部分が安全資産である米国債であるにもかかわらず、シリコンバレーのIT企業が慌ててモバイルバンキングを利用して取り付け騒ぎを起こしたために破綻した。デジタル化の進展により、恐怖が以前より数十倍速く拡がる一種の「バンクデミック(Bankdemic/銀行とパンデミックの合成語)」の危険が潜在しているわけだ。

韓国においても警戒心を持たなければならない。韓国は銀行のオンライン取引が86%以上に達し、24時間モバイルバンキングが可能な国であり、金融の利便性は世界最高水準だが、小さな悪材料があってもあっという間に預金を引き出せる脆弱性を同時に抱えているためだ。1749兆ウォン(約177兆円)に達する天文学的な家計負債と116兆ウォン(約11兆7000億円)規模の不動産プロジェクトファイナンスが危機の地雷として潜伏している状態だ。不安心理が一気に拡がるとバンクデミックが起こる可能性も排除できない。

韓国の金融不安指数は先月は21.8で、5か月連続で危険水準を維持している。貯蓄銀行・セマウル金庫など第2金融圏を中心に貸出延滞と不動産プロジェクトファイナンスが不良債権化する危険性が拡大したためだ。金融当局は銀行に対して資本の拡充と貸倒引当金の追加積み立てを要求しているが、ノンバンクは死角地帯で、危機に瀕した時にはもう手遅れだ。金融危機は常に不安心理と直結しているため、海外の動向を常にモニタリングし、ノンバンクを中心にリスク要因を点検するなど、先制的な対応策を講じるべきだ。
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