韓国の経済報告書、韓国経済「今年は不況に突入も下半期に回復の可能性」(画像提供:wowkorea)
韓国の経済報告書、韓国経済「今年は不況に突入も下半期に回復の可能性」(画像提供:wowkorea)
21日、韓国の現代経済研究院が最近、「2023年7大国内トレンド・超未知の危機を克服するためのわれわれの希望(OUR HOPE)」報告書を発表したことが分かった。この報告書では国内における今年の主要キーワード7つを提示。今年の韓国経済は不況の局面に突入するという。ただ、下半期に入ってからは、景気が転換する可能性もある。

 最初のキーワードとして「上低下高の可能性(Optimism and Pessimism)」をあげている。今年の国内インフレ(物価上昇)傾向などを考慮した場合、経済下降が本格化し、不況局面に進入すると予想。ただ、内外のリスク要因の行方によっては、「上低下高」の景気傾向を見せるとの見方を示した。「上低下高」とは上半期には沈滞局面が続き、下半期に入って景気が回復傾向を見せる可能性があるという意味だ。

 景気動向の方向を決める内外の要因としては、世界経済の低迷による輸出景気の行方、ロシア・ウクライナ戦争の様相、インフレ傾向と基準金利の変化などをあげた。もし下半期にも景気反騰の転換点が現れなければ、長期の不況に陥り2024年まで沈滞が持続する可能性があると予測した。

 2番目は「超未知の危機(Unknown-unknown crisis)」をあげた。ほとんどの経済予測機関が、今年が韓国の経済成長率が1%台に下方修正するものとみているという。

 政府の政策と関連しては「補正予算とピボット(Revised supplementary budget and Pivot)」がキーワードとして選ばれた。政府が今年の経済状況悪化に対応するために、これまでの「物価安定」と「財政健全性向上」の目標水準を下げ、通貨政策の方向転換(ピボット)に乗り出すか、または補正予算を編成すると予測した。

 産業分野では「業種別景気の異質性(Heterogeneous Business-Cycle)」をキーワードにあげ、業種別景気サイクルに差があると見通した。たとえば、基礎素材産業の不況は長期化するが、半導体やディスプレーなど情報技術(IT)、運送機械(自動車、船舶)業種は下半期以降に、景気回復の傾向が現れるとみた。

 企業と関連しては、「投資の時間と空間(Overseas investment)」を選定。今後韓国企業の投資が、国内から海外に移る傾向がはやまるものと予想した。

 社会的には「近づく超高齢社会(Post-aged society)」がキーワードだ。今年の時点で韓国の高齢層(満65歳以上の人口)の割合は18.4%になる。しかし、2年後の2025年には、超高齢社会(総人口の中で65歳以上の人口が20%以上)に突入するという予測も出ている。

 最後は南北経済協力と関連して、「大胆な構想実現のための入念なアプローチ(Elaborate access on Audacious Plan)」が選ばれた。研究院は、韓国政府が北朝鮮の非核化をけん引できる初期措置を講じるものの、きめ細かで具体的なアプローチが必要だと主張。北朝鮮に対する「民生改善モデル事業」を具体化し、南北関係を改善する必要があると提言した。
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