(画像提供:wowkorea)
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いゃぁ~今場所(春場所)は最高でした。最後の最後まで誰が優勝するかわからず千秋楽では優勝候補3人がそろって負ける想像外の展開になり、優勝決定戦のおまけまで。

 その立役者が意外や意外、あのダメ大関で陥落寸前の正代だから驚き桃の木山椒の木です。彼こそ場所を盛り上げた最大の功労者ですから殊勲賞をあげたいところでした。

 面白かった上に若くて生きの良い次世代を担う力士が台頭した点で来場所以降が楽しみになりました。若隆景、琴勝峰、サラブレットの琴ノ若、王鵬など大関、横綱を狙える純日本力士が大器の片りんをみせた場所でもありました。彼らに立ちはだかる豊昇龍、霧馬山らとが切磋琢磨してこれからの相撲界を活性化させてくれるに違いありません。

 春場所の話題はこのぐらいにして同じ相撲でも”ところ変われば品変わる”ではないですけと韓国にも「シルム」という相撲がありますがまるで違います。1対1でまわしを取って組んで競うのは同じですが、それ以外は全然違います。

 まず競技方法ですが韓国は体重別、トーナメント方式で、決勝戦は5番勝負3先勝制でそれ以下は3番勝負2先勝で勝負がつきます。一日1番の日本とは違います。他に日本でいう土俵、立ち合い等ありません。日本では土俵という枠内で勝敗が決まりますが、韓国では最初から組んで相手を倒す単純明快な格闘技で、土俵は囲いに過ぎません。

 立ち合いがないので塩をまくこともありません。ちょんまげを結ったり、化粧まわしをつけて土俵入りもなければ、きらびやかな衣装をまとった行司はいなくレフリーがいるのみで、勿論親方衆の勝負審判もいません。

 その違いをいちいち上げたらきりがありませんが、同じ相撲でもお国柄でシステムや運営方法が違うことに驚かされます。

 日本の相撲は大相撲協会が神事としての伝統を受け継ぎ様式美(ちょんまげ、行司の衣装、化粧まわし、呼び出し制等)を守り発展させでひとつのジャンルとして練り上げてきた世界に誇れる文化とも言えましょう。外国人が来たら是非相撲が見たいというのはそれだけの価値があるからに違いありません。

 韓国も相撲の歴史は古いのですが、日本のように一つの独特のジャンルとして確立していませんし、日本は弟子入りさせ前相撲から段階を踏んで上に上がるシステム(一種の徒弟制)ですが、韓国では力があればスカウトして明日からでも上位を競わせチャンピョンになれます。

 日本はコツコツと時間をかけ相撲道を確立させてますが、韓国では一般の格闘技の域を出ません。この大相撲のシステムは、戦後経済の高度成長を支えてきた日本の長所を体現しています。共同生活をしながら長い時間をかけて相撲を教え込む<匠>の確立。

 相撲道という特殊な共同体を作り上げ、協会の維持、忠誠心、家族意識を誘発する年功序列、終身雇用体制を引き独自の王国を築きました。まさしく日本人の特徴を体現している大相撲だと思います。 その特徴を韓国と比較してみましょう。

 第一に土俵です。

 韓国には土俵の概念はないので寄り切ったり、押し出し、勇み足、という決まりはありません。あくまで倒したり、手足の甲が砂につくかで勝負が決まります。

 私の突飛な考えですが、日本の文化には島国という限られた「枠」を意識してます。随所に土俵、「枠」「テリトリ-」にこだわる傾向が見て取れます。韓国はなかなか枠(法律、取り決め)があってもなかなか守ろうとしません。

 しかし日本人は一応みんなで決めた取り決め(枠)に従います。土俵を出ると負けだし、時間を守らない人は信用しない(新幹線の正確さ世界一)、村の取り決めに違反する人は「村八分にする」、決められた場所で一生働く(一所懸命)、与えられた仕事はきっちりこなす(韓国人はムラがある)、総理大臣になったら政権の安定運営の為大臣ポストを派閥で分かち合う(大統領になったら総取り)このよう例は沢山ありますが、その違いを次回風土面から紐解いてみます。

※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。『あなたは本当に「韓国」を知っている?』の著者

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