北朝鮮の弾道ミサイル(資料写真)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
北朝鮮の弾道ミサイル(資料写真)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国軍の合同参謀本部によると、北朝鮮は4日午前7時23分ごろ、北西部の慈江道舞坪里付近から中距離弾道ミサイル(IRBM)1発を発射した。ミサイルは日本上空を通過した。

 北朝鮮がIRBMを発射するのは1月30日以来、約8か月ぶりで、挑発の水準を急激に高めた。

 韓国軍はミサイルの飛行距離や高度、速度などを分析中で、監視・警戒を強化している。

 1月当時、北朝鮮は2017年11月以来、4年2か月ぶりに中距離級のミサイルを発射した。「火星12」とされた同ミサイルは飛行距離約800キロ、高度約2000キロと探知され、最高高度に達する直前の最高速度はマッハ16(音速の16倍)と推定された。IRBMは米国の分類基準で飛行距離3000~5500キロの弾道ミサイルだ。当時のミサイルを通常角度で発射した場合、3500~4500キロを飛行したと推定された。米戦略兵器の発進基地がある米領グアムを射程に収められる。

 北朝鮮は今年2月27日と3月5日、3月16日、5月25日に相次いで大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射。3月24日と5月4日にはICBMの「火星15」を発射した。IRBMの発射は挑発の水準を高める前兆とみられるため、今後ICBM発射や7回目の核実験を行う可能性もある。

 北朝鮮はここ10日間に弾道ミサイルを5回発射したことになる。先月25日に地対地短距離弾道ミサイル(SRBM)1発を発射。28日と29日、今月1日にもそれぞれSRBMを2発発射している。

 北朝鮮は今年に入り弾道ミサイル発射を21回、巡航ミサイルを2回発射した。5月に韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足してからのミサイル発射はこれで9回目。

 最近のミサイル発射をみると、高度や飛行距離、速度などは少しずつ異なる。ロシア製短距離弾道ミサイル・イスカンデルの北朝鮮版と呼ばれる「KN23」、地対地ミサイル・ATACMSに似た「KN24」、北朝鮮が「超大型放射砲」と呼ぶ「KN25」など、複数の種類のSRBMの試験評価を進めていると推測される。

 韓国の専門家は、北朝鮮がさまざまな環境でミサイル運用能力を検証し、データを収集する一方、同時運用能力の向上により韓国の防衛体制を突破しようと挑発の頻度を高めているとの見方を示す。


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