<W解説>ファンクラブは会長が退くも、人気は健在な尹大統領夫人の金建希氏=支持率低下の夫をどう支えるか?(画像提供:wowkorea)
<W解説>ファンクラブは会長が退くも、人気は健在な尹大統領夫人の金建希氏=支持率低下の夫をどう支えるか?(画像提供:wowkorea)
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領の夫人であるキム・ゴンヒ(金建希)氏のファンクラブ「ゴンヒ・サラン」のカン・シンオプ会長が先月28日、会長職を退くことを明らかにした。夫の尹大統領は最近支持率低迷が続き、最新の世論調査では30%を切る厳しい状況となっているが、金夫人の世間の関心度は依然高いものがある。同日には約1か月ぶりに公の活動に出席した。

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 尹氏が大統領に当選し、金氏はファーストレディーとなったが、尹氏の当選後、メディアのインタビューに「大統領夫人という呼称よりは大統領の配偶者という表現が良いと思っている。その役割は、時代と社会像に合う国民の要求に応えるものと理解している。私は当選者(尹氏)が国政に専念できるよう内助したい」と答えていた。

 金氏は尹氏の大統領就任後、歴代大統領の夫人たちと精力的に面会を重ねた。その姿からは「ファーストレディー像」をあれこれ模索しているようにも感じさせた。

 一方、先月には、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席する尹大統領に同行し、外交舞台デビューした。マドリードへ向かう大統領専用機の機内で、同乗した記者団から「飛行はどうですか?長時間の飛行ですがコンディションはどうですか?」と問われたキム夫人は、返事の代わりに笑みを浮かべた。ユン氏が「何かお話したら?」とキム夫人に促すと小さな声で「ありがとうございます」とだけ答えた。

 しかし、現地では3泊5日の日程で在スペイン韓国文化院を訪問したり、スペイン国王フェリペ6世夫妻が王宮で主催した晩さん会ではレティシア王妃やフランスのマクロン大統領のブリジット夫人らと歓談。また、マドリード市内にある市場の韓国食料品店を訪れるなど、スケジュールを精力的にこなした。韓国食料品店でキム夫人は、店を切り盛りするスペイン在住の韓国人夫婦に「同胞の努力が韓国とスペインのかけ橋の役割を果たしている」と感謝の気持ちを伝えた。金氏の外交舞台デビューは、パク・チウォン(朴智元)前韓国国家情報院長がラジオ番組で「100点満点中90点」と絶賛するなど、一定の評価を得た。

 尹大統領以上に一挙手一投足に関心を集める金氏には「ゴンヒ・サラン」という名のファンクラブが存在する。昨年11月、弁護士のカン・シンソプ氏が立ち上げた。今年初め3万人だった会員数は、尹氏が大統領に就任後は9万人にまで増加した。最近、新たに1000人ほど会員数が増えるなど、芸能人顔負けの人気ファンクラブとなっている。

 一方、今年5月、金氏が大統領執務室などで尹氏と過ごす様子を撮影した写真が「ゴンヒ・サラン」を通じて公開され、物議を醸した。保安区域である大統領執務室内で撮影された写真が大統領室ではなく個人のファンクラブから公開されたことは、警備上問題と批判された。当時、野党からは「内助に徹する」としていた金氏の発言との矛盾を指摘し、「セレブを夢見ていたのか」と皮肉る声も上がった。これに対し、カン氏は、「大統領夫人が大統領が勤める執務室に、しかも休日に訪れることの何が問題か?休日に大統領夫人が私的な活動をしたことがファンクラブを通じて公開してはいけない理由はどこにある?」などと反論した。

 そのカン氏は28日、「ゴンヒ・サラン」の会長職を退くことを発表。カン氏は「私が昨年11月、金夫人が(経歴詐称疑惑で)大変な時に、自由と人権を守るため、政権交代を成し遂げるため、尹氏を大統領にするため『ゴンヒ・サラン』を作った」と振り返った。その上で、会長職を退く理由について「金夫人を、そして尹大統領を守るべきだが、退くことで大きなものを得ることができると考えた」と説明した。また、「ゴンヒ・サラン」の今後の運営に関しては、「管理者らが管理し、今後も疎通の場として残る」と説明した。

 一方、金氏は先月28日、NATO首脳会議から約1か月ぶりに公の活動を再開した。南東部ウルサン(蔚山)の現代重工業で開かれたイージス艦の進水式に尹大統領とともに出席した。船体とつながった支綱の切断は伝統的に女性が行っており、今回は金氏が務めた。大統領室は「支綱の切断が新生児のへその緒を切るように新しい船の誕生を意味するもので、海軍の長年の伝統儀式。この伝統に則り、金夫人が支綱を切断した」と説明した。

 一方、最新の世論調査で尹大統領の支持率は30%を下回った。今後も厳しい政権運営が予想される。苦しい状況下の夫を、金氏はどのようにしてサポートしていくのか。

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