文大統領、再任で物議を醸した選挙管理委員の辞意受け入れる=韓国(画像提供:wowkorea)
文大統領、再任で物議を醸した選挙管理委員の辞意受け入れる=韓国(画像提供:wowkorea)
中東歴訪中のムン・ジェイン(文在寅)大統領が21日、中央選挙管理委員会のチョ・ヘジュ(チョ海珠)常任委員の辞意を受け入れた。文大統領はチョ委員の辞意を一度受理しなかった。しかし、野党から「暴挙だ」として激しい反発があり、世論を考慮して受け入れたものとみられる。

 文大統領はこの日、現地でチョ氏の辞意表明に関する報告を受け、これを受け入れたと、大統領府のパク・スヒョン(朴洙賢)国民疎通首席が書面で明らかにした。

 朴首席は「大統領選挙日まで残り少なく、新任の選挙管理委員を任命するためには人事聴聞会などの任命手続きの過程で、不必要な論争が起こり得るため、一旦辞意を差し戻した。しかし、本人が一身上の理由で再び辞意を表明したことで受け入れた」と説明した。

 チョ氏は、文大統領の大統領選候補時代、陣営特別補佐官を務めている。そのため、2019年に選挙管理委員の常任委員として任命されるときも、公正性が疑われていた。チョ氏は今月24日、常任委員の任期満了を前に辞意を表明していた。しかし、文大統領は大統領選挙まで残りわずかとなった状況などを考慮し、一般委員として再任しようとしていた。

 韓国の保守系野党「国民の力」のキム・ギヒョン院内代表は、チョ氏の辞意が差し戻されると、国会で緊急記者会見を開き、「(一般委員として再任することは)史上初めてのことであり、とんでもない暴挙だ」とし、「(チョ委員は)文陣営特別補佐官出身で、初めから公正性をめぐり問題になった人物だ。選挙管理委員会を文管委(文在寅+選管委)にした張本人」と述べた。

 これに先立ちチョ氏はこの日、同委員会の内部ネット網に「一部野党とマスコミの政治的非難攻撃には耐えられるが、委員会が担うべき偏向性問題と、これによって受ける後輩たちの痛みと訴えに、これ以上背を向けることはできない」とし、「委員会の未来は後輩たちに任せ、選挙管理委員会から出ることにした」と改めて辞意を表明した。

 チョ氏が再び辞意を表明した事実が伝えられると、「国民の力」のチョン・ジュヘ選挙対策本部報道官はこの日「任期末の小細工は、最初からあってはならなかった。再度辞表を提出したというが、遅ればせの感がある」とし、「文大統領は辞意表明を直ちに受け入れ、辞表を受理すべきだ」という論評を出していた。
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