民主主義サミットに出席した文大統領=(聯合ニュース)
民主主義サミットに出席した文大統領=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は米主催の民主主義サミット2日目の10日(日本時間)、事前録画した映像で「韓国は民主主義の価値を証明する代表的な国」とし、「権威主義が国民を抑圧するたびに韓国国民は平和的な市民革命で民主主義を守って進展させた」と話した。 同サミットはオンライン形式で9日に開幕した。日程は2日間で、約110カ国・地域の首脳らが招かれた。 文大統領は「韓国はこのような経験に基づいて世界の民主主義に寄与する」と強調した。 サミット1日目の前日には「韓国は半世紀の間に戦争の廃墟から立ち上がり、軍事独裁と権威主義体制を克服しながら最も躍動的な民主主義への発展を遂げる過程で国際社会から多くの助けを受けた」とし、民主主義強化に向け積極的に協力する意思を示した。 2日目は「抑圧」や「市民革命」などの単語を使用し、前日よりも権威主義をさらに鮮明に批判したとみることができる。 米国に同調することで、韓米同盟をさらに強化しようとする文大統領メッセージと見る向きもある。 外交関係者らは、米国が今回のサミットを開催したのは中国とロシアをけん制する狙いがあると見ている。 韓国が権威主義を克服した経験で国際社会に貢献するという文大統領の発言は米国がサミットを開催した趣旨と同じ流れにあるとの見方も出ている。 ただ文大統領は前日に続きこの日も中国について直接的な言及を避けるなど、慎重な姿勢を見せた。 中国を名指しすれば、米国の中国けん制に加わる形になり、外交的な負担を抱え込むことになりかねない。 韓国は米国の同盟国ではあるものの、経済や朝鮮半島の平和維持などの側面では中国との関係をないがしろにすることはできず、そのため米中の間でバランス戦略を続けると見ることもできる。  文大統領は前日に続き、フェイクニュースの弊害を指摘し、間違った情報によってワクチン接種の推進がさらに困難になることに懸念を示した。 文大統領は、「今の民主主義は民主主義内部から威嚇を受けている」とし、フェイクニュースが嫌悪や憎しみをあおり、ワクチン接種を拒否するよう促しているなどと指摘した。 また「コロナ格差を最小化し、共に回復しなければならない」とし、「韓国は積極的な財政政策により、被害を受ける階層をさらに支援し、雇用の維持と分かち合いに最善を尽くしている」と紹介した。  このほか文大統領は「韓国は人権促進のための国レベルの努力と共に開発途上国の女性の能力向上に向けた開発協力事業も拡大する」と約束した。
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