K防疫が最大の危機に直面 = 韓国(画像提供:wowkorea)
K防疫が最大の危機に直面 = 韓国(画像提供:wowkorea)
ソウル トンデムン(東大門)区 在住の60代男性は6日、午前0時ごろ、呼吸困難を訴え、病院に緊急搬送された。救急隊が出動し、およそ1時間後、病院に到着した。しかし、病床の割り当ての待機中、翌日の午前11時に死亡が確認された。

 「感染者が急速に増加→高齢者層の重篤患者が増加→病床の不足→在宅治療の拡大→医療システムの崩壊」

 11月、ウィズコロナ(段階的日常回復)以降、新型コロナウイルスの医療システムの変化を端的に示している流れだ。さらに感染力が強い「オミクロン株」が韓国国内にも拡大の兆しを見せており、「K防疫」が最大の危機に直面しているという意見が出ている。

 専門家らは、準備不足の状態でのウィズコロナへの転換が、現在の医療システムの崩壊を招いたと口をそろえて防疫当局を糾弾している。一部では現在の危機を打破するため、一時的に「ソーシャルディスタンス」が再適用されることは避けられないという主張も出ている。しかし、社会、経済的な被害は避けられず、損害補償という壁も軽視できないだけに、結局、今からでも医療対応能力を引き上げることに全力を尽くすべきだという意見が多い。

 5週間、新規重篤患者の84.5%が高齢者層

 現在、医療システム危機の最大の問題は、高齢者層の重症化が増加していることだ。8日、中央災害安全対策本部の発表によると、10月31日から12月4日までの5週間、新規重篤患者の84.5%に当たる1651人が60代以上の高齢者であり、新型コロナウイルスによる死亡者979人のうち95.9%が60代以上の高齢者層であった。また、このうち、ワクチンの未接種者は432人(45.9%)、不完全接種者は53人(5.6%)だった。

 高齢者層の危機の原因は、2月26日、アストラゼネカの接種開始時まで遡る。当時、ウイルスベクター基盤ワクチンのアストラゼネカの中和能(ウイルスを無力化できる能力)はメッセンジャーリボ核酸(mRNA)基盤のモデルナより劣るという研究結果が出ていた。しかし、実質的にアストラゼネカだけを大量に保有していた状況では別の選択肢がなく、やむを得ず、高齢層者を中心に接種が開始された。

 ワクチンの需給上の関係で、4月まで集中的にアストラゼネカの接種が行われ、その効果が持続する10月までは、重篤患者や死亡者は懸念されるほどではなかった。しかし、11月に入り、高齢者層を中心にワクチン効果が急激に落ちた状態でウィズコロナに転換したため、重篤患者や死亡者が急激に増えたという分析が出ている。チョン・ウンミ 梨花女子大 モクトン(木洞)病院 呼吸器内科教授は「少なくとも9月には高齢者層を対象にブースター接種を開始すべきだった。当時、防疫当局は『2回接種すれば問題ない』という認識が広がったことが失敗を招く決め手となった」と述べた。

 防疫当局は慌てて12月を「ブースター接種集中期間」とし、高齢者層の接種に全力を上げているが、この日現在、80歳以上の接種率は50%、70代29.9%、60代9.2%に過ぎない状況だ。

 さらに「すれ違っただけで感染」するほど感染力が強いといわれるオミクロン株が韓国国内に本格的に拡大すれば、新型コロナウイルスの状況はどこまで悪化するか分からないという懸念も出てくる。7日付の英紙ガーディアンは従来の遺伝子検査に含まれない「ステルス」オミクロン株コロナウイルスが発見されたと報じた。
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