「オミクロンを見つけた」…感染した牧師夫婦に対する度を超えた身元公開が物議=韓国(画像提供:wowkorea)
「オミクロンを見つけた」…感染した牧師夫婦に対する度を超えた身元公開が物議=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国国内で初めて新型コロナウイルス「オミクロン株」に感染した40代の牧師夫婦に対する身元情報がオンライン上で公開され、物議を醸している。

3日、あるオンラインコミュニティには「オミクロンを見つけた」という題名の文章が掲載された。この文章ではオミクロン株に感染したAさん夫婦の写真と名前、年齢などがすべて公開された。

作成者は、「資料は拾ってきたもので、違法に入手したものではないため、通報することはできないだろう」とも記した。

この文章には、「なぜうそをついたのか」、「政府の防疫指針に従って隔離していたなら、事態はこれほど大きくならなかっただろうに」などの非難のコメントが続いた。また、「生物化学テロ犯」などと人格を否定する暴言もみられた。

しかし、これをめぐり一角では過度な「魔女狩り」ではないかという懸念の声も上がっている。

あるネットユーザーはAさん夫婦の子どもの名前、通っている学校まで公開された状況をみて、「身元を公開してすっきりしたのだろうか」、「子どものことを考えても、こういうことをしてはいけない」と指摘した。

これについて、チョンブク(全北)大学社会学科のソル・ドンフン教授は、「牧師夫婦の行為が道徳的批判の対象になることはあっても、それが法的な枠を越えてはいけない」とし、「特定人物の身元情報を無分別に公開したり、これを直接・間接的に脅かす行為は処罰の対象」とメディアに伝えた。

個人情報保護法上、個人の身元情報を無断で公開した場合、5年以下の懲役または5000万ウォン(約480万円)以下の罰金に処される。

これに先立ち、インチョン(仁川)市ミチュホル(弥鄒忽)区の教会に所属する牧師のAさん夫婦は、先月24日にナイジェリアから帰国し、翌日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。その後、今月1日に国内で初めてのオミクロン株感染者と判定された。

当時、この夫婦は空港から自宅に帰る際、知人であるウズベキスタン国籍のBさんの車に乗って移動したものの、防疫当局には「防疫タクシーに乗った」と、虚偽の陳述をした。結局、濃厚接触者から除外されたBさんもオミクロン株に感染していたことが遅れて確認されたことで、Bさんの家族とその知人8人の感染も追加で確認された。

これについて、Aさん夫婦が所属する教会の担当牧師はフェイスブックを通じ、「迷惑をかけてしまい、仁川地域の住民に謝罪する」とし、「当教会は今回のことをきっかけに、これ以上新型コロナウイルスが拡散しないよう祈り、防疫当局の措置に積極的に協力し、これ以上問題が発生しないよう努力する」と伝えた。
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