来年の大統領選で「政権交代」を望んでいる民心は50%台を超えているが、野党第一党のユン候補の支持率はこれに及んでいない。一方与党のイ候補の支持率も、任期末であるムン・ジェイン(文在寅)大統領の支持率40%前後よりも低い状況である。
これは、2人の候補とも司法リスク(デジャンドン・大庄洞疑惑や告発教唆疑惑)、本人や妻の実家の道徳性問題、現政府との差別化や執権担当能力などによって、国民の願いを満足させることができないためである。
イ候補はユン候補に対して「無知・無能・ムーダン(巫堂・祈祷師)の “3ム”だ」とする一方、ユン候補はイ候補に対して「無法・無情・無恥の “3無”だ」と応酬している。このような攻防が国民たちの好感度を下げ、「選ぶべき人がいない」という中道層や無所属層が30%台に達している。「最善でなければ次善でも選ばなければ」というのが選挙であるが、ややもすると「次善ではなく次悪」を選ばなければならないような状況である。
次期政権は、ポストコロナ・4次産業革命時代の大転換期を導いていかなければならない。新型コロナウイルス感染症への対処に有能でなければならず、4次産業革命時代を先がける新技術と新雇用も見出さなければならない。また、米中覇権競争時代を迎え国家安保戦略も新たに立てなければならない。2030が挫折しないよう公正の価値を立て、住宅・教育・福祉・防疫のパラダイムも打ち立てていかなければならない。残り100日では、大転換期の未来戦略と急がれる民生対処方案を見出すにも時間が足りないくらいである。
多くのゲームでは、自分がうまくできることよりも相手の失敗により勝利する場合が多い。それで、相手の欠点を誇張し存在自体を悪魔化しようとする誘惑がおそってくる。しかし、大統領選においてはそうしてはならない。陣営間の対立激化により国が2つに分かれれば、未来へと進む動力自体が失われるためである。2人の候補は大転換期の大韓民国を率いていく候補らしく、未来のビジョンにおいて品格のある対決を繰り広げてくれることを願う。
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