韓国国民の半数は「リベラル・保守ではなく中道」…李・尹候補、中道の支持層拡大を狙う(画像提供:wowkorea)
韓国国民の半数は「リベラル・保守ではなく中道」…李・尹候補、中道の支持層拡大を狙う(画像提供:wowkorea)
韓国国民のほぼ半数が、自らの政治的スタンスは革新(リベラル)・保守主義ではなく、中道(回答保留を含む)だと考えていることが分かった。大統領選挙がわずか100日後に迫っているだけに、有力候補たちの「中道層拡大」戦略も本格化する見通しだ。

 世論調査企業の韓国ギャラップは27日、今月、18歳以上の4005人を対象に行った、「主観による政治的スタンスの分布調査(月別統合)」を発表した。

 この調査によると、自分の政治的スタンスを「中道」と答えた割合は33%だった。保守が30%、リベラルが22%だった。回答を保留(分からない・回答拒否)した割合が15%だった。この結果により、リベラルと保守に属さない割合が、48%(33%+15%)に達することが分かった。

 学術的定義による政治的理念の区分ではなく、回答者自らが考えるスタンスの回答だが、いずれにせよ自らをリベラル・保守のどちらにも属さないと答えた人が、半分に達することは示唆するところが大きい。

 2017年1月に国政混乱が起こった当時、韓国ギャラップの月別統合調査で中道とスタンス保留の割合は36%にすぎず、自分をリベラル(37%)と答えた割合が保守(27%)と答えた割合よりはるかに多かった。

 国民のこうした政治的スタンスの変化は、大統領選を戦う候補たちの政治活動にも大きな影響を与えている。

 実際、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)、野党「国民の力」のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領選候補は、方法論と順序は異なるが、それぞれ中道層の取り入れに心血を注いでいる。

 李候補は選挙対策委員会(選対委)の発足直後から最近まで、連日20~30代と集中的に会っているが、これもまた中道層拡大の政治活動と解釈される。今回の世論調査で、20代と30代は中道スタンスの割合がそれぞれ50%と49%で、全体平均を上回るほど中道層が多く布陣した世代でもある。

 李候補はウェブトゥーン(韓国のデジタル漫画)、株式投資、暗号資産など若者に関心が高いテーマの行事に参加し続け、「1日1若者」という言葉が生まれたりもしている。共に民主党の選対委関係者も「少なくとも年末までは、若者層中心の活動が李候補の選挙戦略の核心」と述べている。

 尹候補は、本選レースの序盤から、中道層拡大に重点を置く戦略を見せている。大統領選候補に選ばれたのが李候補より約1か月遅れており、まだ選挙対策委員会を組んでいる段階だが、現在まで明らかになった選対委の面々を見ても、中道層拡大戦略がうかがえる。

 陣営総括選挙対策委員長の候補としてあげられているキム・ジョンイン氏は、政界最高の「中道層拡大専門家」と評価されている人物だ。

 尹候補直属の新時代準備委員長を務めることになったキム・ハンギル氏もまた、新政治民主連合を離党した後、2015年に「国民の党」を結成するなど代表的な文派反対勢力(非文・反文)の人物だ。

 尹候補は新時代準備委員会について「政権交代を熱望しながらも「国民の力」との合流をためらう中道層と合理的なリベラル、こうした人々を集結させるプラットフォーム」と説明した。

 「国民の力」のイ・ジュンソク(李俊錫)代表とともに、常任選挙対策委員長に選任されたキム・ビョンジュン氏も、リベラルなノ・ムヒョン(盧武鉉)政権で大統領府の政策室長を務めた人物だ。

 また、文政権批判書として知られる『チョ・グク黒書』の共同著者であるクォン・ギョンエ弁護士らが共同選対委員長に名前があがるなど、尹候補は外部からの人材起用を通じた中道層拡張を狙っている。
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