金融市場の専門家らは、韓国銀行・金融通貨委員会が明日開く通貨政策方向会議で基準金利の引き上げを決定するものと見ている。韓国銀行のイ・ジュヨル(李柱烈)総裁は先月、国会企画財政委員会の国政監査で「景気予想によると、11月には利上げをしても大きな支障はないのではないかと考えている」と述べた。
韓国銀行が基準金利の引き上げを急ぐ理由は二つある。一つは過剰流動性により家計負債の急増と資産価格の上昇など副作用が大きくなっており、金融不均衡を解消するためだ。もう一つは、先月の消費者物価上昇率が3.2%まで跳ね上がり、物価安定への対策を強化する必要性が高まったと見ているためだ。しかし韓国開発研究院は今月始め、現在のような高負債の局面での金利引き上げは得より損の方が大きいという内容の報告書をまとめた。この21年間の実証分析では、基準金利が0.25%上がれば経済成長率は0.15%下がるが、物価や負債抑制効果は微々たるものであることが分かっている。最近開かれた韓国経済学会のセミナーでも、金利引き上げのタイミングを遅らせるべきだという意見が主流を占めた。
韓国経済は第1四半期に1.7%だった四半期別の成長率が、第2四半期の0.8%に続き、第3四半期には0.3%に急落した。対外的には供給難の深刻化や物流の停滞、新型コロナウィルスの再流行などで、今後の世界経済への不安が高まっている。米連邦準備制度(Fed)の金利引き上げ時期は来年下半期以降と予想されている。韓国銀行はゆとりを持って判断することが必要だという指摘に耳を傾けるべきだ。
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