1住宅者の課税基準を引き上げたが、それでも不動産税増加=韓国(画像提供:wowkorea)
1住宅者の課税基準を引き上げたが、それでも不動産税増加=韓国(画像提供:wowkorea)
ソウル広津区広壮洞の「広場ヒルステート」専用面積84.97平方メートルのマンション1軒を所有しているAさんは、2年前までは総合不動産税(総不税)を納めていなかった。しかし、今年は114万ウォン(約11万円)を払わなければならないという。これまで払っていた財産税を合わせると、不動産を所有するために年間で払う税金(保有税)は544万ウォン(約53万円)となり、1か月分の給料を優に上回る。昨年の1.5倍水準だ。

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 韓国政府が、1住宅者(1軒の住宅だけ保有する人)の税金負担を減らすために、1住宅者の課税基準を9億ウォン(約8702万円)から11億ウォン(約1億636万円)へ引き上げた。しかし、相当数の納税者が税金の引き下げ効果を受けられない見通しだ。税率が上がった上、政府の公示価格現実化政策によって、税金計算の基になる公示価格が20%近く跳ね上がったためだ。

 20日、ヘラルド経済新聞が、キム・ジョンピル税理士に依頼して、今年度の総不税(ソウル市内主要マンションの1住宅所有者基準)をシミュレーションした。その結果、ほとんどの人が昨年より税金が増えたことが分かった。

 公示価格が13億6900万ウォン(約1億3238万円)のマンションを所有したA氏の場合、総不税は昨年の36万ウォン(約35000円)から今年114万ウォン(約11万円)へと215.5%増えた。A氏がすでに納めた財産税(431万ウォン=約41万円)まで合わせると、今年の保有税総額は544万ウォン(約52万円)で、昨年(367万ウォン=約35万円)より177万ウォン(約17万円)多い。全てのシミュレーションは高齢者・長期保有特別控除を受けないと仮定した上で実施した。

 多住宅者の税負担はさらに重くなった。3住宅者と調整対象地域の2住宅者に適用される税率が、昨年0.6~3.2%から今年1.2~6.0%へと2倍近く上がった。松坡区蚕室洞住公5団地専用の82.61平方メートルと麻浦区阿硯洞の麻浦レミアンプルジオ専用の84.89平方メートルを保有する2住宅者の総不税は、昨年の2539万ウォン(約245万円)から今年は6932万ウォンへ(約670万円)と173.0%増加した。財産税を合わせた今年度の保有税は7923万ウォン(約766万円)で、一般サラリーマンの年俸をはるかに上回る。

 業界は、来年も総不税が増加するものと見ている。今年、住宅価格が大幅に上昇し、政府の公示価格現実化政策によって、公示価格が今年より大幅に跳ね上がる可能性が高いからだ。総不税の公正市場価額比率も、来年には100%に引き上げられる。

 実際、最近の実取引価格を基準に公示価格現実化率71.5%を適用して来年の税額を算出すると、前述した事例者の総不税は今年より1.5~3倍増える見通しだ。

 キム税理士は「多住宅者だけでなく、総不税非課税基準が低くなった1住宅者も、多くは公示価格急騰の影響で税負担が増えた」とし、「保有税が圧迫手段になり、贈与や売りに出る多住宅者も増えたが、大統領選挙を控えて税制緩和などを期待する人もいて、動きが鈍い」と述べた。
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