文大統領の一言で急ぎすぎた大庄洞捜査チーム、結局、施行会社のオーナーを拘束できず=韓国(画像提供:wowkorea)
文大統領の一言で急ぎすぎた大庄洞捜査チーム、結局、施行会社のオーナーを拘束できず=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国の城南市大庄洞開発事業の不正・ロビー疑惑が浮上し、検察が施行会社「火天大有」の大株主であるキム・マンベ氏に対する拘束令状を申請したが棄却された。検察内外では、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が大庄洞事件の捜査について直接発言したことで、無理に捜査速度を上げ、支障を来たしたという分析が出ている。

キム・テフン の最新ニュースまとめ

 ソウル中央地裁のムン・ソングァン令状専担部長判事は14日、特定経済犯罪加重処罰に関する法律上の横領および背任、贈賄などの疑いで請求された、キム氏に対する拘束令状を棄却した。ムン部長判事は令状の棄却理由を「拘束の必要性が、十分に疎明されたとは考えにくい」と説明した。

 判事は、逃走や証拠隠滅の憂慮がないという理由ではなく、犯罪容疑を十分に備えていないという点を棄却の理由にあげた。特殊捜査経験の豊富な検事らは、捜査チームが無理に令状を請求したと指摘する。拘束時には、確実に立証できる最小限の容疑だけを盛り込み、拘束捜査を通じて内容を追加し、起訴するのが普通だ。しかし、今回の大庄洞捜査チームは、キム氏に関連したすべての容疑を令状に入れたという。

 ユ・ドンギュ前城南都市開発公社本部長は、キム氏から5億ウォン(約4800万円)の賄賂を受け取った容疑で拘束された。しかし捜査チームは、キム氏には755億ウォン(約73億円)の贈賄容疑を適用した。キム氏が、ユン氏に事業上の便宜をはかった見返りに、開発利益25%の700億ウォン(約67億円)を渡すことを約束したのも、すべて容疑に含まれた。クァク・サンド(郭尚道)議員の息子に退職金50億ウォン(約4億8000万円)を支給したのも賄賂とした。

 文大統領が事件について、速やかな捜査を求めたことで、捜査チームがあまりにも早く勝負に出たという指摘も出ている。文大統領は12日、「大庄洞事件について、検察と警察は積極的に協力し、迅速かつ徹底した捜査で実体的真実を早急に究明することに総力を傾けてほしい」と求めた。キム氏は今月11日、検察に出頭し、翌日まで取り調べを受けた。取調べを受けて帰宅したその日に、検察が拘束令状を請求した。

 一方、捜査を担当する検事らが不動産開発疑惑に関連した捜査の経験不足を指摘する声も上がっている。

捜査を指揮するキム・テフン次長検事は、法務部検察課長を務め、今年、検察人事でソウル中央地検に席を移した。これまで大型特殊捜査の参加経験はない。経済犯罪刑事部を率いるユ・ギョンピル部長検事も海洋分野の捜査には長けているが、企業・経済分野の捜査に精通した人物ではないという評価を受けている。

 キム氏の弁護団は、検察の調査で重要証拠にあげられている会計士のチョン・ヨンハク氏の録音記録を閲覧させてほしいと求めたが、捜査チームは受け入れなかった。検察はキム氏を再び呼んで拘束令状を再請求するかどうかを検討しなければならない。拘束令状の棄却事由が容疑の証明が足りないだけに、補強捜査を進めるものと見られる。
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