モデルナをリードするファイザー = 韓国報道(画像提供:wowkorea)
モデルナをリードするファイザー = 韓国報道(画像提供:wowkorea)
メッセンジャーリボ核酸(mRNA)新型コロナウイルスワクチンの市場をリードする「双璧」ファイザー(ティッカーPFE)とモデルナ(MRNA)の間で接種対象の違いでている。ファイザーとモデルナは、韓国国内で最も多く接種される「新型コロナウイルス」ワクチンだ。

 11日、製薬、バイオ業界によると、ファイザーは米食品医薬品局(FDA)に5歳から11歳の子供のワクチン緊急使用承認を申請した。特段の問題がなければ、米国の子供たちは来月からファイザーを接種できるようになる。

 mRNAワクチンでファイザーのライバルであるモデルナは、まだFDAに緊急使用承認を申請できず、速度面でファイザーに遅れを取っている状態だ。

 一部の国では、特定の年代へのモデルナの接種を認めていない。スウェーデンの保健当局は、心筋炎など、副作用の心配がも大きいという理由から30歳以下にはモデルナの接種を一時的に中断することにしている。デンマークの保健当局も同じ理由で12歳から17歳にはファイザーのみ接種すると発表している。

 ハルリム(翰林)大学 感染内科のイ・ジェガプ教授は「一部の論文でモデルナがファイザーよりも心筋炎の危険があるという内容があったが、これに影響された国がある」と説明した。

 ブースターショット(追加接種)でも似たような流れが感じられる。米国でブースターショットを承認されたワクチンはファイザーだけである。これを受け、韓国でもブースターショットにモデルナではなくファイザーのみ使用している。

 ファイザーの場合、子供から高齢者層はもとより、免疫の弱い人々まで全て接種対象としているが、モデルナはそれができないのが現状だ。イ教授は「モデルナの接種用量はファイザーの3倍で、そのため予防効果も高い分副反応も強いのではないかという指摘がある。しかし、まだモデルナがファイザーよりも問題があるとするのは時期尚早だ。一部データに過度に反応する側面はあるが、予防接種も問題なく進んでいるため(特定年齢層接種除外といった)決定を下した」と述べた。

 韓国では、国際的な動向を注視する計画だ。新型コロナウイルス予防接種推進団のホン・ジョンイク予防接種管理チーム長は8日の懇談会で「国際的な動向をモニタリングしながら変化があれば外国の政策、専門家による諮問と見解などを基に政策決定を下して対応するという基準のもとで、しっかりとモニタリングしている」と述べた。

 8日(現地時間)基準のファイザーの株価は、今月に入って1.30%下落し、42.45ドル(およそ4800円)で取引を終えた。一方、モデルナは20.7%下落し、304.91ドル(およそ3万4000円)で取引を終えた。メルク(MSD)の経口用治療薬のニュースを受け、ワクチンの代表株である2銘柄共に下落したものの、モデルナの接種を中止する国々が現れ、下げ幅がより大きくなったものと推測される。
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