四川省「汶川地震」で13人の命を救った救助犬「ビンジエ」が亡くなる=中国報道(画像提供:wowkorea)
四川省「汶川地震」で13人の命を救った救助犬「ビンジエ」が亡くなる=中国報道(画像提供:wowkorea)
中国・四川省汶川県で2008年に発生した地震に際し、被災地の救助活動にあたった災害救助犬・氷潔(ビンジエ)が、10月2日に亡くなっていたことがわかった。当時、ビンジエは13人の命を救ったとされている。

 「汶川地震」被災地の救助活動に参加したビンジエは当時1歳だった。ビンジエは2日目に崩れ落ちた学校の上で突然吠え始めた。ビンジエの訓練士だった欧洪洪さんは「すき間から小さな子どものうめき声が聞こえたんだ。女の子だったよ」と振り返る。ビンジエが発見した少女は1時間後に無事救出された。6歳の女の子だった。彼女は現在、大学生となっている。

 ビンジエはその後も被災地で救出活動にあたり、合計13人の生存者発見に貢献した。

 「がれきの中には多くのガラスや細かい石があったから、ビンジエも鼻を切って血だらけになっていた。それでも臆することなく、与えられた仕事をこなしたんだ」と欧さんは話す。

 救助活動が終わり、江蘇省南京市に帰ったビンジエは「功労犬」として称えられた。しかし、左足に傷を負っており、心肺機能にも低下が見られたという。

 それでも、ビンジエは2008年の豪雪災害、2014年の昆山爆発事故、2016年の塩城竜巻災害などの被災地で救助活動に参加した。

 ビンジエは健康状態の悪化にともない、2017年に第一線から引退。「呼吸器の機能や心肺機能が低下していて、他にもいろいろな病気にかかっていた。しっかり歩くこともできなかった。そんな姿を見ていると本当につらかった」と欧さんは回想録につづっている。
  
 ここ数年、汶川地震被災地に中国各地から送られて救助活動にあたった災害救助犬が相次いで亡くなっており、ビンジエは最後の1匹だった。
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