文大統領が訪問した公共賃貸マンション、売れ残りで再び話題に=韓国(画像提供:wowkorea)
文大統領が訪問した公共賃貸マンション、売れ残りで再び話題に=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が昨年12月に訪れた公共賃貸マンションが、売れ残って再び話題になっている。

 韓国キョンギドファソン(京畿道華城)市トンタン(東灘)新都市にあるこのマンションに文大統領が訪れたのは、公共賃貸マンション(幸福住宅)の良さを直接知らせるためのものだった。

 そのため、政府の誤った住宅政策、そして見せかけ行政に対する批判の声が上がっている。

 当時、文大統領は訪問した賃貸マンションを指して、「新婚夫婦に子ども1人が標準だが、子どもは2人まで可能だ」と発言し、政治的論争まで起きた。

 韓国土地住宅公社(LH)が野党「国民の力」の議員に提出した国政監査関連資料の「華城東灘の公共賃貸現況」によると、華城東灘A4-1街区の公共賃貸マンション1640戸のうち44平方メートルと41平方メートル型の2戸は、いずれも今年9月24日現在、未だに賃貸されていないことが分かった。ここは昨年12月、二人の元国土部長官を帯同し、文大統領が訪れた場所だ。

 該当住宅は大統領訪問後も9か月間空き家になっていた。訪問前の期間まで合わせると、1年6か月以上、入居者が決まっていない。最高売買価格が15億ウォン(約1億4000万円)をこえるほど実需要の多い東灘地区で、安価な賃貸住宅が依然として空き家であるのは異例のことだという。実際、近くのあるマンションは55対1の競争倍率を記録し、他のオフィステル(マンション・事務所兼用の建物)は56.2対1の競争倍率で分譲を終えている。

 この団地全体では49戸が依然として空き家として残っている。特に、このうち14戸が大統領が訪問した44型住宅だ。ここは保証金が最高7200万ウォン(約676万円)、月賃貸料27万ウォン(約2万5400円)で、若者なら最大6年、新婚夫婦なら子供の数によって最大10年まで居住が可能だ。

 LHは、売れ残りを処理するために、2019年6月から今年3月にかけて、所得や資産基準を緩和し、募集公告を出した。文大統領が訪問したマンション2戸も訪問前に2回、訪問後に3回の計5回の契約案内にもかかわらず、入居希望者は依然として現れていない。

 文大統領の訪問のため、4000万ウォン(約375万円)をかけて家具やインテリアを変えた二つのマンションは、ショールームとして活用するというLHの主張とは裏腹に、実際の訪問者は事実上いなかった。

 野党「国民の力」のキム・ウネ議員がLHから受け取った資料によると、華城東灘の2戸の公共賃貸マンションは、今年6月末までに訪問者がわずか5人だった。それさえも国会議員および関係者だったという。

 ここは大統領訪問直前に110万ウォン(約10万円)でテレビを6か月余りレンタルし、60万ウォン(約56400円)相当の冷蔵庫、167万ウォン(約15万6900円)相当の洗濯機と120万ウォン(約11万3000円)のソファー、80万ウォン(約75200円)相当のテーブルなどを新たに配置した。

 キム議員は「賃貸住宅の実情を把握して修正するよりも、政府がPRするのに躍起になっていた」と指摘した。

 一方、LHはこれについて、「若者や新婚夫婦を対象にした賃貸住宅に少数の空室が出るのはやむを得ないことで、華城東灘賃貸住宅団地の空室率は、ほかの団地に比べ低い水準だ」と釈明した。

 LH側は「華城東灘A4-1街区は、昨年10月に入居を開始した団地で、建設型公共賃貸住宅の平均空室率3%を考慮すると、通常の水準だ」とし、「入居予備者を対象に進められている契約案内などを考えると、空室規模は徐々に縮小されるだろう」と明らかにした。

 続いて「9か月間賃貸されていない住宅は、入居予備者への案内が進んでいるが、予備者が契約の意思がない場合は次の予備者(41型5人、44型11人)に案内される予定」と付け加えた。
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