北朝鮮の金正恩 朝鮮労働党総書記は、対南・対米関係の構想を明らかにした(画像提供:wowkorea)
北朝鮮の金正恩 朝鮮労働党総書記は、対南・対米関係の構想を明らかにした(画像提供:wowkorea)
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が全面的に乗り出したことにより、膠着していた南北関係と朝鮮半島情勢が重大な局面に入っている。これまで内治に集中することで対外メッセージをキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党第1副部長などに任せていたキム総書記は、最高人民会議の施政演説を通じて対南・対米関係の構想を明らかにした。

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朝鮮労働党機関紙“労働新聞”はきょう(30日)、キム総書記が最高人民会議の2日目の会議で「社会主義建設の新たな発展のための当面の闘争方向について」というタイトルの施政演説をしたことを伝えた。キム総書記は施政演説で「まず南北関係を解き、米朝対話は後に回す」という構想を示した。

まず南北関係に関しては、韓国側に「挑発に対する危機意識と被害意識を捨てるよう」要求しながら、今後の南北関係の展望は「韓国当局の態度にかかっている」と主張した。ただ「南北関係回復と朝鮮半島の平和を望む民族の期待と願いを実現するための努力の一環として、いったん10月初めから断絶していた南北通信連絡線が再び回復するようにする」という意志を明らかにした。

韓国 北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「通信連絡線の回復後、より積極的に韓国側の意志をテストしようとするだろう」とし「韓国側の態度と措置によりTV会談を含めた南北首脳会談を進め、北京冬季オリンピックを活用しようとする態度をみせる可能性がある」と推測した。

一方キム総書記は、南北関係とは異なり米朝関係においては、ジョー・バイデン米政権による対北政策を批判しながら、引き続き「距離を置く」立場を維持することを明らかにした。特にバイデン政権の外交的関与と前提条件なしの対話の提案に対しては「対北敵対政策を隠すための “まやかし”にすぎない」と「むしろ、その(米国の)表現と手法が一層ずる賢くなっている」と批判した。

このことについてヤン教授は「北朝鮮の態度は、米国と韓国を引き離すもので、米朝の直接対話より南北関係を通じた米朝対話への履行という、2018年の方式に再び注目している」と分析した。

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