“アナログ”日本のデジタル革命は成功するか=韓国報道(画像提供:wowkorea)
“アナログ”日本のデジタル革命は成功するか=韓国報道(画像提供:wowkorea)

 菅首相が今月29日に首相職から退く。菅首相は最後まで再任に未練を持っていたが、無派閥・農家出身の壁を越えることはできなかった。政治家一族の世襲議員と8大派閥が入り組みあう自民党内の権力争いから押し出された形だ。

 昼夜を問わず熱心に働いた菅首相は、就任1年で首相の座を明け渡す“短命首相”になった。国民の人気を得ようとオリンピック開催を推し進めた・しかし、新型コロナ感染者の急増が悪材料になった。五輪の準備と新型コロナ防疫にこだわったため、自身の国家ビジョンを展開する機会も少なかった。成果と言えば、今年9月初めのデジタル庁発足程度だ。

 この2年間、新型コロナの防疫と被害支援金の申請過程で、日本の立ち遅れたデジタル化の実態が如実に明らかになった。政府省庁と1700余りの自治体がそれぞれ異なる行政情報入力システムを使用し、資料の共有さえ不可能なのが現状だ。デジタル化水準は指標で確認される。国連の『電子政府ランキング』(2020年基準)によると、日本は14位にとどまった。1位はデンマーク、2位は韓国だ。日本総合研究所の野村敦子研究員は「電子政府をやると言い始めたのは20年前だったが、(当時は)紙の書類で処理するのが当たり前だった」とし、「デジタル化があまり進まなかった20年を取り戻すためには、民間の力をうまく活用しながら、ものすごいスピード感で取り組む必要がある」と指摘した。

 デジタル庁は、行政手続きのオンライン化と中央政府および地方自治体のデジタル化の加速を目指す。このため、600人の人材のうち200人をIT(情報通信)業界出身から選んだ。中央省庁としては破格の人事採用だ。これら民間の専門家がバラバラの政府システムの規定を標準化し、クラウド上で運用可能な仕組みに改編することが主な業務となる。紙の書類を使用してきた児童手当てと介護手当ての申請はスマートフォンによる申請に変更する。マイナンバーを活用し、銀行口座と連動させて支援金の支払いなど、デジタル行政サービスが可能な社会を作り出すことが目標だ。

 民間業界は政府のデジタル化により新しいビジネスが生まれることを期待する。国や自治体が保有しているさまざまな情報を民間に開放しているからだ。国土交通省は立体地図データを一般に公開し、地図アプリ開発など、さまざまな新規事業の支援に乗り出している。

 日本の“体質”を変えるデジタル庁が発足したが、国民の初期反応は冷淡だ。アナログ中心の日本の社会構造も依然として強固だ。デジタル機器の使用に不慣れな多くの老年層が行政のデジタル化を歓迎せず、若年層は個人情報の露出を避けて行政のデジタル化に消極的だ。デジタル化で失われることになる雇用を懸念する従来の産業従事者も少なくない。

 アナログ式思考に閉じこめられている既得権政治勢力がデジタル社会への転換の最大のハードルだ。1955年の自民党誕生後、派閥間の談合で首相が決まる古い政治体制では構造改革は容易ではない。デジタル革新を導く責任は次期首相に任されたということだ。今月29日の自民党総裁選挙で改革的な人物が出てこそ、“デジタル化失敗”を挽回できるだろう。朝日新聞の世論調査の結果、回答者の58%が「次の首相は安倍元首相や菅首相の政治路線を継承しないほうがいい」と答えた。日本人がどんな選択をするのか気になる。

Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 84