米国が伝統的同盟国である英国・オーストラリアと3か国安保共同体「オーカス(AUKUS)」を発足させ、インド太平洋地域で中国包囲網を築こうとしている中、EU(ヨーロッパ連合)も16日(現地時間)インド・太平洋戦略を発表し、中国包囲網に加勢した。

一方中国はこの日「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP・TPP11)」への加入申請書を提出した。米国を中心として西欧圏の国々が「中国けん制」の布石を次々と打っていることから、中国は孤立からの回避の動きをみせているものとみられる。

EU外交政策を総括しているEUのジョセフ・ボレル外交安保政策上級代表はこの日、インド太平洋地域と協力を強化するための戦略を公開した。

ボレル上級代表は「世界の中心が地政学的側面において、全てインド太平洋に向かって移動している」とし「EUとインド太平洋の未来は、つながっている」と語った。

またEUは台湾との貿易合意を推進していることが伝えられ、日本・韓国・シンガポールなどと新たな「デジタルパートナーシップ協定」の締結の可能性もあがっている。

さらにEUは、インド太平洋地域内の「航行の自由」などを支援するために、EU加盟国の海軍配置を強化する方案も推進することにした。これは、EU海軍の軍事力を南シナ海に派遣する措置を示唆したものだとみられる。

米AP通信などはEUのこのような動きを「インド太平洋地域の国々と政治・経済・安保部門で関係を強化し、拡大する中国の影響力に対応するためだ」と解釈した。

ボレル上級代表は「EUの新たなインド・太平洋戦略は、中国を狙ったものではない」と否定しているが、他の外交官たちはロイター通信に「日本・インド・オーストラリア・台湾などとの関係を強化する中国の影響力を制限するためだ」と語っている。

このような中、中国商務省は声明を出し、CPTPPへの加入申請書を提出したことを明らかにした。

中国は過去において、米国主導で進められていた「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」が自国を孤立させる手段だとして警戒していたが、米国の脱退後ジョー・バイデン米政権が再びCPTPPへの復帰の可能性を検討していることが伝えられ、オーカスが発足するなど状況が不利に働いていることから、素早くCPTPPへの合流を宣言したものとみられる。

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