韓国トヨタ、RAV4の虚偽広告で2審でも敗訴…1車両につき80万ウォンの賠償(画像提供:wowkorea)
韓国トヨタ、RAV4の虚偽広告で2審でも敗訴…1車両につき80万ウォンの賠償(画像提供:wowkorea)
韓国でも人気のあるトヨタ自動車のSUV車両「RAV4」。韓国仕様の販売車に安全補強材が装着されていないにもかかわらず、アメリカ仕様車が米国の機関で最優秀安全等級を受けたと“虚偽の広告”をしたとの問題。控訴審でも韓国裁判所は韓国人所有者(購入者)に“精神的な損害”を賠償すべきだと判断した。

 3日、ソウル高裁は、RAV4の所有者Aさんが、韓国トヨタ自動車株式会社を相手に損害賠償を請求する控訴審で1審と同じく原告の一部勝訴を判決した。

 アメリカで販売された2015年式のRAV4は、IIHS(アメリカ高速道路安全保険協会)の車両前側面衝突テストで「Good等級」を受け、TSP(Top Safety Pick:最高の安全選択)に選ばれた。また2016年式は「Superior等級」を受け、TSP+に選ばれた。

 当時、アメリカで販売された2015年・2016年式にはIIHSのテストに備えて、これまでになかった安全補強材が運転席のバンパーレールに追加装着された。

 韓国トヨタは、「米IIHSの最高安全車両に選ばれた」という内容のカタログを作成して2015年・2016年式を販売。しかし、韓国内用の販売車にはアメリカ用と違って安全補強材が装着されていないことが分かった。

 これに対して韓国の公正取引委員会は、2019年1月9日、韓国トヨタがこの事実を隠ぺい・抜けのある過ちがあったと判断し、「虚偽広告行為に該当する」として広告中止命令と共に課徴金8億1700万ウォン(約7770万円)を賦課した。

 RAV4の所有者Aさんら317人は、同年5月に韓国トヨタに1車両あたり財産上の損害300万ウォン(約29万円)と精神的損害200万ウォン(約19万円)の計約15億ウォン(約1億4000万円)余りを賠償するよう訴訟を起こした。

 しかし裁判の過程で、RAV4の所有者315人は韓国トヨタとの和解勧告決定を受け入れ、AさんとBさんの2人だけがこれを受け入れずに訴訟を続けていた。

 1審は、1車両あたり80万ウォン(約7万6000円)の精神的損害を賠償するよう一部勝訴の判決を下し、Aさんだけ1審に不服として控訴していた。

 判決は「海外の安全度評価で必須的な仕様のこの事件の部品が、国内販売車には装着されていなかった。韓国トヨタは国内販売車の場合は海外の安全度評価で優秀車両に選ばれていないにもかかわらず、この事実を隠ぺいした」と指摘。

 第1審は虚偽の広告に該当すると見ながらも所有者が自動車の使用価値に関する損害に遭ったと見る証拠がないと判断した。ただ広告を通じて形成された信頼と期待を侵害されたとして精神的苦痛に対して1車両あたり80万ウォンを賠償するように命じた。第2審も同じ判断を下した。

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