定年しても休めない国、“高齢者国家”の誕生に備えなければ=韓国報道(画像提供:wowkorea)
定年しても休めない国、“高齢者国家”の誕生に備えなければ=韓国報道(画像提供:wowkorea)

 高齢にもかかわらず働くことを望む人口は1000万人にのぼる。韓国・統計庁が一昨日発表した「経済活動人口調査 高齢層付加調査」によると、55~79歳にあたる高齢者の人口(1476万6000人)の68.1%(1005万9000人)が働くことを望んでいる。これらの58.1%は“生活費を補うため”職を探しており、平均で73歳まで働きたいとしている。特に75~79歳の場合、82歳まで働きたいと回答した。韓国人の期待寿命が83.3歳(2019年基準)であることを考慮すれば、“韓国人は働くだけ働いたら死ぬ”という言葉が空念仏ではないことを示す。

 韓国人の高齢者の暮らしがこのように大変なのにはさまざまな要因があるだろうが、高齢化の速度によるところが大きい。55~79歳の人口はこの1年間で49万4000人増えたが、これは全体人口増加(4万1000人)の12倍に達する。さらに深刻なことは、早い高齢化が今後も長期間続くという点だ。国家統計ポータル(KOSIS)によると、65歳以上の高齢者人口が今後20年間で900万人程度増えるものと予想される。2040年になると、総人口に占める高齢者の割合が33.9%になり、昨年(15.7%)の2倍を超えることになる。

 現在、世界中で高齢者人口の割合が最も高い国は日本(28.4%、2019年基準)であり、イタリア(22.6%、2018年基準)が2位だ。日本経済がこの30年間で没落に近い後退を繰り返したのは、“高齢者国家”に十分に対処できなかったためだ。今のペースで行けば、韓国は一世代以内に日本を追い越すものと予想される。韓国は世界1位の“高齢者国家”に向かっている。日本の「失われた30年」が他人事ではないのだ。

 韓国は現在、平均寿命が世界3位であり、高齢者貧困率(43.4%)と高齢者自殺率(10万人当たり53.3人)は、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうちトップだ。韓国のサラリーマンは平均49.3歳で勤めていた職場から名誉退職するが、平均73歳まで雑用をしながら老年を送らなければならない。韓国は高齢者国家誕生に備えた生存法を探さなければならない。重要なのは雇用と福祉だ。段階的に定年を70歳まで延長し、それに相応して年金支給の時期を調整するなど、中長期計画を立てなければならない。国家レベルで知恵を集めなければならない時だ。

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