3年で4200件の火災事故、「物流倉庫の消防設備設置・管理基準の強化が必要」=韓国(画像提供:wowkorea)
3年で4200件の火災事故、「物流倉庫の消防設備設置・管理基準の強化が必要」=韓国(画像提供:wowkorea)
サムスン火災海上保険の企業安全研究所は、2018年から2020年の間に国家火災統計システムで集計された、倉庫施設の火災発生件数が4298件に達するとの調査結果を発表した。同期間、金属機械・器具工業の火災は2339件、工業が2039件、食料品工業が581件、製材・木工業が507件で、後に続いた。

倉庫施設の火災要因(2019年火災統計年鑑基準)は47%が不注意で、これに電気関連の要因(29%)、原因不明(13%)が続いた。

物流倉庫をはじめとした倉庫火災の件数が多くなっているが、韓国の物流倉庫内のスプリンクラー設置基準は先進国に比べ低い水準であることが判明している。

サムスン火災海上保険によると、韓国の物流倉庫に設置されているスプリンクラーの設置基準は、米国など先進的な基準に比べ消火性能が30~50%と評価されている。実際に米国と韓国のスプリンクラー設置基準を比較してみると、放水圧力が米国の場合5.8~24.5キログラム重毎平方センチメート(Kgf/cm2)であるのに対し、韓国の場合は1Kgf/cm2だ。また放水時間は米国の場合90~120分だが、韓国は20分にとどまっている。

韓国におけるスプリンクラーなど消防施設の維持に関しても、まだ先進国の水準には至っていない。米国の全米防火協会(NFPA)では主要な消防設備別に点検項目および周期を多様に区分しており、毎週、毎月、毎四半期、毎年などに分けて点検を実施している。一方、韓国では法的に1年に2回作動機能点検と総合精密点検を行う程度で、火災発生時に消防施設が正常作動するかどうかといった信頼性の確保には至らないという評価だ。

維持や点検が適時行われないために、スプリンクラーを設置しても正常作動しないケースも多く発生した。2019年1~6月期のキョンギド(京畿道)における火災発生状況の分析資料によると、スプリンクラーの正常作動率は48%だった。

専門家は先進的な基準をベンチマークして物流倉庫のスプリンクラー設置基準を改善し、大型物流倉庫の設計段階から防火区画が適切に設置されなければならないと助言している。あわせて高層ビルなどで採用している消防施設の性能優先の設計を、大型物流倉庫にまで拡大適用すべきだと強調している。

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