「英語・漢字試験を受けさせるなどのパワハラ…ソウル大学の清掃労働者死亡は明白な労災」=韓国(画像提供:wowkorea)
「英語・漢字試験を受けさせるなどのパワハラ…ソウル大学の清掃労働者死亡は明白な労災」=韓国(画像提供:wowkorea)
「エレベーターもない4階建てで、ぎっしり詰まった100ℓのゴミ袋6~7個を毎日1人で持って運びました」

「清掃勤務も大変なのに、試験を受けさせられ、採点もされてとても恥ずかしかったです」

清掃労働者たちは先月26日、ソウル大学寮の休憩室で急性心筋梗塞により死亡した状態で発見された50代の清掃員である故李某さん(女)は、大学側の‘パワハラ’と不当な指示などにより死亡したと主張した。

全国民主労働組合総連盟(民主労総)は7日午後、ソウル市クァナク(冠岳)区のソウル大行政館前で記者会見を開き「大学側は李さんの死について公式謝罪し、清掃労働者たちの労働環境を改善せよ」と求めた。

労組によると、李さんの仕事はかなりきつかったという。大学の女子寮の中で最も人数の多い196人が2人1部屋で生活し、トイレ8室とシャワー室4室がある925棟寮の全階を1人で清掃してきた。コロナ事態以後、学生たちの配達量が多くなると、ゴミの量が増え、仕事はさらにきつくなった。特に、重量がかさみ、割れる危険のあるリサイクルガラス瓶は床に引きずることができないため、1つひとつ持って運ばなければならず、李さんはいつも指の痛みに耐えながら働いていた。

李さんが遺体で発見される5日前の21日には、寮の行政室長、部長、チーム長ら3~4人が突然訪れ「清掃状態の検閲をする」として、軍隊式の検閲を行ったという。

労組は「李さんは先月6月1日、新しく赴任したAチーム長に軍隊式の業務指示と不当なパワハラまで受けてきた」と主張した。Aチーム長は毎週水曜日の午後3時30分から5時まで、清掃労働者会議を設けては試験を受けさせるなど、不当な指示をしていた。

試験では清掃業務とは関係のない‘冠岳学生生活観’を英語または漢字で書く記述式問題や開館年度、現在の学生数などを答える客観式問題があった。誰が何点を取ったのかを公開し、羞恥心を与えたりもした。また「会議には正装などをきちんと着て出席せよ」などの様々な指示をして、これに違反した場合は‘1点減点’とし、人事考課に反映すると脅しをかけたという。

民主労総全国民主一般労働組合ソウル本部法規政策局のパク・ムンスン局長は「この死は労災でいえば、明らかな過労死」とし「李さんは急性心筋梗塞で亡くなったが、これまでの裁判所の判例から見て『職場内いじめ』と認められ、十分に労災が可能だ」と明らかにした。

この日の記者会見には、ソウル大学で機械電気施設を管理する李さんの夫B氏も同席した。B氏は「妻の同僚たちはこのような素晴らしい環境で働いていた」とし「私たちは働きに来ているのであって、死ぬために来たのではない。安全に家に帰れるようにしてほしい」と涙ながらに話した。

記者会見を終えた後、労組はソウル大学施設管理局長に抗議書簡を提出した。その後、李さんが働いていた925棟寮に移動し、李さんが死亡したまま発見された休憩室を訪れ、追悼した。

一方、ソウル大学は李さんの死亡に関し、別途の声明を出していない。

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