日本オリンピックミュージアム前のクーベルタン男爵の銅像(画像提供:wowkorea)
日本オリンピックミュージアム前のクーベルタン男爵の銅像(画像提供:wowkorea)
東京五輪の開幕まで1か月を切り、本番を緻密なまでに想定した環境で練習に励んでいる韓国代表選手たちの現状を、韓国メディアが伝えている。

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朝鮮日報は24日付の記事で、「韓国の選手たちは既に国内で『東京適応訓練』の真っ最中だ」と伝えた。

記事によると、サッカー代表チームは、「日本のサッカー場の芝生は短い上、水をたくさんかけているので滑りやすい」(キム・ハクボム代表監督)として、チームが練習で使用しているグランドの芝生の長さを普段よりも短くカット。スプリンクラーで散水し、本番の会場に近い環境を作り上げたという。

卓球の代表チームも21、22の両日、本番の東京体育館と同様の環境を作って練習試合を行った。卓球台やフロアマットの色、スポンサーのロゴが入るフェンスの高さまで合わせたという。さらに、決勝戦では、中継カメラが卓球台の周りをまわる演出まで施した。

一方、24日付の中央日報は、「『ジャンケンでも負けてはいけない』と言われる勝負が目の前に近づいた」とし、東京五輪で行われる種目別の韓日(日韓)戦を紹介。男子サッカーについて、両国がともにグループリーグを通過した場合、8強戦以降に対戦することを伝えた。

そのほか、対戦の可能性がある野球や、グループリーグからぶつかる女子バレー、女子ハンドボールを取り上げ、日韓の熾烈な戦いを予想した。

また、個人種目については「柔道が韓日戦の激しい戦場になる」と紹介。「宗主国・日本のプライドがかかっているだけに、韓国が韓日戦で勝利すれば、その波及効果は大きい」と伝えている。

しかし、記事は、「長年のライバル意識に競技以外の対立要因までが加わり、東京五輪の韓日戦は大会開幕前から既に激しい神経戦の様相を呈している」とし、「IOC(国際オリンピック委員会)はオリンピック憲章で政治とスポーツの分離を宣言しているが、韓日両国の政治的な対立は、自国代表チームの勝利に対する強い思いにつながるしかない」とまで記している。

ライバル心を持つこと自体は悪くないが、政治的な問題にまでスポーツを利用するようなことは許されることではない。

開幕100日前の4月14日、大韓体育会は東京五輪の目標を発表。イ・ギフン(李起興)会長は「金メダル7個、総合順位10位」を掲げた。韓国は、前回2016年のリオデジャネイロ五輪で金9個(総合8位)、前々回12年のロンドン五輪では金13個(同5位)の結果だった。

韓国紙・スポーツ東亜は、韓国が金メダルの獲得が期待できる種目としてアーチェリー、テコンドーを挙げた。アーチェリーは歴代の五輪史上、韓国に最も多くの金メダル(23個)をもたらした種目。記事は「五輪で金メダルを取るよりも難しい国内選抜戦を勝ち抜いた」と前置きした上で、代表に内定した選手の名前を紹介した。

また、テコンドーは、男女6人の代表選手の名前を挙げ、「全員が金メダル候補として遜(そん)色ない」と伝えた。

記事は「野球、サッカー、フェンシング、柔道などでもメダル獲得に期待がかかる」とも伝えている。

どの出場国の選手も国民の大きな期待を背負って東京に行く。この際、政治的な対立は一切除外し、純粋に正々堂々と戦う日韓の選手の姿が見たい。

東京オリンピックのメイン・スタジアムの前には日本オリンピック・ミュージアムがある。1936年ベルリン五輪で日本代表としてマラソンの金メダリストになったソン・ギジョン(孫基禎)選手の国籍表記で、韓国でも有名になった場所だ。その入口の前にはクーベルタン男爵の銅像が建っている。近代オリンピックの父として、「オリンピック精神」を唱えた人物だ。

「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献する」

彼の言葉を今一度じっくり噛み締める時だ。サッカーのセレモニーで「猿真似」をしたり、テコンドーで「旭日旗の撃破」をしたり、スポーツを貶める行為、これは絶対だめだ。

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