3年かけて韓国から日本へデータを移転するというLINE、政府の信頼を取り戻せるか(画像提供:wowkorea)
3年かけて韓国から日本へデータを移転するというLINE、政府の信頼を取り戻せるか(画像提供:wowkorea)
G7期間中に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と菅首相の会談が実現せず、日韓間対立が長期化している中で、日本の国民的メッセンジャー『ライン(LINE)』をめぐっても日本国内の反韓感情が高まっているように見られ、懸念されるている。

 今年3月に中国で起こった個人情報管理不安に関する火花が日韓関係にまで広がったのだ。ラインは日本政府とユーザーの心をつかむために、韓国にいる日本のユーザーデータを2024年までにすべて移転すると発表したが、現地の反応は冷淡だ。

◇ラインの計画に東京大学法学部教授「ぐずぐず」と叱咤(しった)
 ラインによると16日、ラインは韓国のネイバーデータセンターに保管している日本人ユーザーらのプロフィールや写真、動画、ファイルなどのさまざまなデータを今月から日本のデータセンターに移転する計画だ。

 具体的に△チャットルームで利用者同士がやり取りした写真、動画、ファイル(ワード・エクセル・音声など)データは今月中に移転を完了し、△ラインペイデータは今月から移転を開始して9月までに完了するという目標だ。

 続いて△カカオトークの引き出しに似た機能である「キープ(Keep)」内のテキスト、写真、動画、ファイルデータは今年7月に移転を開始して2022年第2四半期までに完了、△アルバムとノート、タイムラインデータは来年1月に開始して2024年の上半期中に移転を完了し、△プロフィールと利用者の申告データは来年1月に開始して来年上半期中に移転を完了する計画だ。

 こうした計画は今年3月、中国にあるライン委託会社の中国人社員が日本国民の個人情報にアクセスしたことが確認され、国民的な憤怒が高まったことで打ち出された対策の一つだ。個人情報流出の事実は明らかになってはいないが、日本政府や国会から批判を受け、8600万人に上る日本人ユーザーらの不信も招いた。

 ラインは国民に謝罪し、日本のラインユーザーに安心してもらうため、△中国の開発拠点および外部委託業者の個人情報へのアクセス権限を遮断し、△韓国に保管されているデータを日本に移転する、という計画を発表した。

 ラインの今回のデータ移転計画発表について、親会社のZホールディングスが東京大学大学院法学政治学研究科の宍戸常寿教授、川口設計の川口洋代表など外部の専門家で構成する「グローバルデータガバナンス特別委員会」(以下特別委員会)は11日に懇談会を開き、検収結果に関するブリーフィングを行った

 特別委員会の座長である宍戸教授は「キープやアルバムのデータ移転時点が後に置かれたことに対して、私を含む特別委員会の多数が驚いた」とし、「総意で緊急対応を強く要求した」と明らかにした。データ移転完了時点まで3年もかかるということに対する批判だった。

 これに対し、ラインは「トークデータは特定期間が過ぎるとサーバーから自動的に削除されるものと違い、アルバム、ノート、タイムラインデータは永久に保存される」とし、「要求されるストレージ容量およびデータ要素の面で異なるため、日程を変更して設定した」と説明した。

 続いて「安定性と安全が最優先順位であるため、各データの移転スケジュールは変動する可能性がある」とし、「発表日程で遅れているものはない」と付け加えた。

◇ラインペイのデータは依然として霧の中
 中国のWechatの「グローバル・アライアンス」の情報交換はどのように行われているのかなどが取り上げられている。

 しかし、特別委員会内の技術検証部会の川口座長は「技術検証で扱ったのはラインアプリに対してだけで、ラインペイではない」とし、「(ラインペイは)金融庁で扱う問題」と答えた。今後「調査する予定か」という現地メディアの質問にも特別委員会は「未定」と明らかにした。

 チャットや写真、動画だけでなく、決済取引情報も非常に重要なデータであるだけに、日本現地では明確な特別委員会の調査や検証が求められるという批判報道が相次いだ。

◇政府、ラインの利用再開時点については「ノーコメント」
 日本政府が行政サービスのライン利用を再開する時点も不明である。内閣官房及び総務省は4月30日に「政府機関のライン利用ガイドライン」を発表し、個人情報など機密を要する情報の取り扱いがあるラインの利用を中止するよう勧告した。さらに、職員個人のアカウントを使って業務連絡をやりとりすることも、セキュリティ政策に反すると解釈した。

 ガイドラインの発表から1か月以上が経ったが、ラインの利用再開を判断する発表は出ていない。 ラインは「政府および地方自治体のガイドラインに関して、意見を伝えることは難しい」と言葉を控えた。

 ラインのデータ移転発表や特別委員会のブリーフィング後も、日本ユーザーらの反応は冷ややかだ。ヤフーなどの主要コミュニティでは、「ラインがそんなに必要?」「データ保存場所を変えたとしても、今日明日できる話ではない」「行政サービスにラインが必要か」「ラインペイを使うことはなさそうだ」など否定的な意見が多数である。

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