コロナ禍前に北朝鮮の配給所を訪れた国際機関の共同調査団(資料写真、FAO・WFP提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
コロナ禍前に北朝鮮の配給所を訪れた国際機関の共同調査団(資料写真、FAO・WFP提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】国連食糧農業機関(FAO)は14日(現地時間)、昨年の水害などの影響で、北朝鮮で今年約86万トンの食糧が不足するとの見通しを示した。

 FAOの報告書によると、北朝鮮の2020~21営農年度(20年11~21年10月)の食糧生産量は計556万1000トンと推計され、それ以前の5年間の平均(561万2000トン)を小幅に下回った。

 生産量の内訳は、主食に当たるコメが稲の収穫量ベースで211万3000トン、トウモロコシが221万4000トン、ジャガイモが37万7000トンなど。稲を精米すると生産量が減ることから、北朝鮮の利用可能な食糧は計488万9000トン程度となる。

 これは北朝鮮の1年間の食糧消費量(454万1000トン)を上回っているように見えるが、飼料や種子の分も必要になるため、実際には必要分に対して106万3000トン不足する見通しだ。

 北朝鮮が当初計画した食糧輸入量(20万5000トン)を考慮すると、不足分は85万8000トンになると予想される。

 FAOは「(食糧の生産と消費の)ギャップが輸入や食糧援助によって解消されなければ、北朝鮮の家庭は今年8月から10月にかけて厳しい時期を経験する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 北朝鮮の食糧不足は慢性的なものだが、昨年は特に大雨や台風といった自然災害が収穫量減少に大きな影響を与えたようだ。FAOは「平安南道や黄海道、咸鏡道など北朝鮮のコメ生産の6割を担う地域で、コメ収穫量が前年比25~45%減少した」と指摘している。


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