韓国の伝統服「韓服」が韓流ブームで世界中の人々から愛されるようになったことで、中国のアパレルメーカーが時ならぬ特需を享受している。(画像提供:wowkorea)
韓国の伝統服「韓服」が韓流ブームで世界中の人々から愛されるようになったことで、中国のアパレルメーカーが時ならぬ特需を享受している。(画像提供:wowkorea)
韓国の伝統服「韓服」が韓流ブームで世界中の人々から愛されるようになったことで、中国のアパレルメーカーが時ならぬ特需を享受している。「芸は熊が見せ、金は主人が取る(苦労した人は報酬をもらえず、第三者が横取りする)」ということわざの実写版と評価されている。

 8日、世界最大のインターネット通販サイト「Amazon」で、英文で「Hanbok(韓服)」を検索すると、上段に表示される女性韓服商品。胸部に韓国菊のムクゲを描いたこの商品の販売者は女性用、児童用など様々な韓服を扱っている。

 販売者の韓服は「Korean traditional dress(またはclothes)」で検索しても探すことができる。販売者は自身が販売する韓服が「日常の服や誕生日、クリスマス、ハロウィン、または中国の正月(Chinese New Year)に着ることができる」と説明している。

 製品販売者「XINFU」は中国に事務所を置く中国法人だった。同会社は費用をかけて有料広告(Sponsored)で当該製品を販売している。配送先を韓国・ソウル、米国・ニューヨークなど、世界のどの地域に変更しても、同じキーワードで検索すれば、上段に該当製品が表示される。

 製品に対する評価は高い。5点満点の星で平均4点以上だが、主な背景としては安い価格が挙げられる。「本物の韓服ではないが、1000ドル札よりましだ」、「韓国で買うよりもかなり安い」という利用者が多い。中国の韓服は38~39ドル(約4000円)だが、韓国の業者が販売する子ども用の「トルボク」は143ドル(約1万5000円)だ。

 価格のメリットを掲げている中国韓服の勢いは至るところで見られる。Amazonを除いても、その他の巨大なインターネット通販サイトでも、簡単に探すことができる。中国のアリババと楽天で「Hanbok」と「韓服」をそれぞれ検索すれば、中国メーカーの商品が大多数だが、韓国メーカーが作った韓服は探すのが難しい。

 問題は中国産の韓服から始まる誤解だ。中国内需市場を牛耳る京東集団(JDドットコム)は「少数民族の古代服装」(一部売り切れ状態)、日本最大のショッピングモール楽天は「朝鮮族衣服」などと説明している。韓国の伝統衣装という縁があるが、混在しているため韓服が中国の伝統衣装という印象を与える余地がある。「少数民族と朝鮮族」には中国国籍という概念が含まれているからだ。

 さらに女性用の韓服を演出服や「Dance dress」用途で販売することは、むしろ拡張性を制約する要素となっている。一見、韓服の使い方は普段着や儀礼着を超えるものだが、下手をすると踊り子が着る服だという印象を与えかねないからだ。

 韓服はこれまで政府の努力と韓流スターの広報活動により、世界市場での大衆性を確保してきた。しかし最近、中国は、中国の服「Hanfu」が「韓服」の起源だという主張を繰り広げている。中国の主張の虚実を問う間もなく、世界市場で価格競争力として選ばれ、この過程で韓服を巡る間違った印象を植え付ける余地もある。一部では、韓国内需の韓服市場の一部を安価な中国産で提供しており、自ら招いたことだという残念な見方も出ている。


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