米国のキャンベル・インド太平洋調整官(資料写真)=(聯合ニュース)
米国のキャンベル・インド太平洋調整官(資料写真)=(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】韓米首脳会談を控え、米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官を務めるキャンベル氏が18日(現地時間)、聯合ニュースの書面インタビューに応じた。同氏は韓米首脳が会談で、韓国の新型コロナウイルス流行抑え込みへの支援と世界のワクチン供給強化に向けた協力策を話し合うとの見通しを示した。また、半導体をはじめとする先端技術関連の供給網安保などでの協力強化策が取り上げられると見込んだ。米中対立が激しさを増す中、対中包囲網の構築に向けた韓国の協力を念頭に置いた発言とみられる。

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 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とバイデン米大統領は米ワシントンで21日(日本時間22日未明)に初めて対面で会談する。

 韓米は新型コロナウイルスワクチンを巡り、まだ十分な量のワクチンを確保していない韓国に対し先に米国が余裕分を提供し、後に韓国がワクチンを返す「ワクチンスワップ(交換)」を検討している。これについてキャンベル氏は、「両首脳が新型コロナと闘う韓国を米国が支援する方法を議論するものと確信している」と答えた。ワクチンスワップが首脳会談の議題に含まれることを指したとみられる。

 バイデン氏は17日、以前に言及していた英アストラゼネカ製ワクチンに、ファイザーとモデルナ、ヤンセンの米メーカー3種のワクチンを加えた計8000回接種分のワクチンを、6月末までに国外に供給すると発表している。

 キャンベル氏はまた、韓国のワクチン生産能力の高さを生かして韓国を「アジアのワクチン・ハブ(拠点)」化する構想について、「われわれは、全世界のワクチン製造と供給を増やすことができる選択を幅広く模索している」と述べた。これに関しては、米国で開発されたワクチンを韓国で生産し、韓国を含めアジアなどに広く供給するという案が出ている。

 一方、韓米の半導体分野の協力について、キャンベル氏は「米国と韓国はいずれも技術で世界を先導する国だ。両国がこの重要な問題で協力する新たな方法を話し合う計画だ」と説明した。

 中国けん制のための米国、日本、オーストラリア、インドによる枠組み「クアッド」に関しては、現時点で枠組みを拡大する計画はないとする一方で、韓国と東南アジア諸国連合に特定して域内協力を拡大する必要性に言及した。

 インド太平洋調整官はバイデン政権がNSC内に新設したポストで、中国や朝鮮半島問題などを担当する。キャンベル氏はかつて国務次官補(東アジア・太平洋担当)も務めた。インド太平洋調整官として韓国メディアの単独インタビューに答えるのは初めて。


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