君の名は…日本に渡って“のり”に改名した韓国海苔(画像提供:wowkorea)
君の名は…日本に渡って“のり”に改名した韓国海苔(画像提供:wowkorea)

 韓国産の海苔が日本に「のり」として輸出されており、韓国料理の世界化への意欲に反しているという指摘が出ている。韓国企業が日本が「のり」という日本語の商品名で販売することを認めているからだ。韓国海苔が世界市場を攻略しようとする状況で、韓国海苔の立場を自ら狭める可能性があるため、憂慮が伴う。

 業界によると12日、韓国の大手食品メーカーA社が日本向けに輸出して販売している味付け海苔(油と塩で味付けした焼きのり)は、商品名が『韓国味付のり』だ。直訳すると『韓国調味海苔』で、“のり”は日本で海苔を指す言葉である。韓国語の名称を併記した同製品は、韓国で韓国産の海苔を使用して作られた。韓国産の材料で作った製品に日本名を付けたのだ。他の大手食品メーカーB社を含め、多くの韓国海苔製造メーカーも同じように、海苔を製造して日本に輸出し「のり」として販売している。

 このようなマーケティングには海苔に対する食品会社の見方が込められているという分析だ。「海苔を商品として扱うか、食品として扱うか」の問題だ。海苔を“商品”として考えれば普通名詞として「のり」という表現も無難だが、海苔をキムチのように“韓国料理(食品)”として考えると「のり」という表現は不適切だ。文化的な概念を伴う食品であれば、韓国語の固有名詞「キム」と記すのが正しいということだ。このような脈絡で、韓国企業が海苔に対する認識が不十分だという指摘は痛い。

 このような認識は、海苔の拡張性を制限するという指摘がある。特に現在、日韓両国が“海苔のグローバル化”を争っている状況なので、さらに残念な選択だ。これまで海苔は韓国、日本、中国の3ヵ国で主に食べられている地域色が濃い食品だった。西洋では“ブラックペーパー”として取り扱われ、得体の知れない食べ物に分類されていたが、昨年の新型コロナ発生を機に立場が変わった。健康への関心が高まるにつれて海藻類が脚光を浴び、海苔の需要が集中し始めたのだ。そのため、西洋をはじめとする全世界市場が海苔の激戦地へと浮上した。CJ第一製糖をはじめ、韓国の食品メーカーが昨年米国で収めた好況を今年は海苔につなげようと努力している。

 しかし、グローバル市場では“GIM”(キム、韓国語「海苔」のローマ字表記)マーケティングは見られないのが現実だ。米国市場を例にとると、韓国海苔のほとんどは『Seaweed』(シーウィード、海藻類を指す英単語)という名称で販売されている。これは、日本ののり製造会社が“NORI”で全ての製品を商品化したことと比較される。このような状況下で、一部の韓国メーカーは米国で海苔を「のり」と販売している。「のり」が日本固有の食品として認識される中で、海苔は海藻や「のり」の類似品水準にとどまっているのだ。

 食品業界の関係者は「食品が商品より優れているという事例は、韓国の海苔巻きが寿司の一種として認識されていることからも確認できる」とし、「海苔とご飯で食品のイメージを確立した寿司が残りを商品化したもの」と話した。

 もちろん、韓国食品に日本式の名前がついたりもする。キムチが代表的だ。韓国産キムチは“キムチ”と表記して日本に輸出される。しかし、“キムチ”(KIMUCHI)は「キムチ」(KIMCHI)の日本語表記に過ぎない。日本には「キムチ」という食品が存在せず、発音通りに日本語で表記した音域(漢字など、文字で音を表記)なのだ。「キムチ」を“キムチ”と書くのは、「海苔」を「のり」と表記するのとは、概念上の違いがある.

 A社の関係者は「日本が掌握している世界市場で、韓国海苔を販売する過程で「のり」という表現を借りたり、『海藻』(Seaweed)といったような商品名を借用するしかないのが現実」だとし、「認識が改善すれば商品販売方式も変えていく」と述べた。

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