福島原発「汚染水」放出、なぜこのタイミングで…東京オリンピック・選挙を意識か = 韓国報道(画像提供:wowkorea)
福島原発「汚染水」放出、なぜこのタイミングで…東京オリンピック・選挙を意識か = 韓国報道(画像提供:wowkorea)
日本政府が現地の漁業関係者と市民団体、韓国と中国などの周辺国家の強い反発を覚悟してまでも福島第一原発に保管されている汚染水を海洋に放出することを決定したことは、東京オリンピックと衆議院選挙などを意識した判断だと思われる。

 合計で6基の原子炉がある福島第一原発は、2011年の東日本大震災で1号機から4号機が爆発した後、原子炉の温度を下げるために注入されていた冷却水以外にも雨水や地下水などに流入した汚染水が1日に160トン から170トンずつ増えている。

 福島第一原発内の汚染水貯蔵可能量はおよそ137万トンで、現在約91%が埋まっている状態だ。制限された空き地面積により、汚染水は来年の秋から2023年3月頃にはいっぱいになるとみられる。

 また海洋放出に必要な設備の審査と工事には2年ほどがかかるものとみられる。つまり今海洋放出を決定しても2年後の2023年上半期に行われるため、さらに遅れれば貯蔵タンクを増設しなければならない状況である。

 東京電力は今後廃炉作業に必要な施設を準備する空き地が必要だとし、これ以上タンクを増設することができないという見解だ。本日、菅義偉首相が閣議を終えた後「汚染水の処分は福島第一原発の廃炉において避けられない問題だ」と述べたこともこれと同様のものだと推測される。

 つまり日本政府としては、これ以上遅らすことができないタイミングが今であるというわけだ。

 東京オリンピックの開催までおよそ100日となり、それが今海洋放出を決定すべき理由である。韓国と中国など周辺国家の強い反発が目に見えるように明らかな状況の中、東京オリンピック開幕を控えて外交摩擦が引き起こされる状況は日本政府としては避けたかっただろう。

 秋に予想される衆議院選挙に与える悪影響を最小限にしようという心中も透けて見える。

 両院制である日本の国会で下院に該当する衆議院は任期が4年で10月21日に満了となるが、議院内閣制を採択した日本では首相に衆議院解散の権限を与えており、任期満了前でも首相が衆議院を解散すればそれにより早期に総選挙が行われるかもしれない。

 菅首相は9月に自民党総裁選挙を行わなければならず、その前に衆議院を解散して総選挙を行う可能性が取り沙汰されている状況だ。

 選挙を控えて有権者の心理に影響を与えるかもしれない海洋放出を決定することよりはまず士気を高めることが先決だと菅首相と日本政府は判断したものとみられる。
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