海洋警察はこの日、国防部(防衛省に相当)で確認した資料と漂流予測分析結果などをもとに行方不明の公務員A(47)氏が”越北”したものと判断されると明らかにした
海洋警察が明らかにした根拠は、北朝鮮側がAさんの名前、年齢、故郷などの身元情報を詳細に把握しており、Aさんが脱南越北の意思を明らかにした情況などを確認したというものである。また、Aさんがライフジャケットを着ていたことから単なる滑落や極端な選択(自殺の試み)の可能性は非常に低いものと判断した。
行方不明された当時の小延坪島周辺の海上潮流と潮汐などを分析した結果からもAさんが、単に漂流していたら、北朝鮮海域への到達は難しかっただろうと、推定されたと明らかにした。発見された位置まで行くための人為的な努力があったという説明だ。
海洋警察はさらに、Aさんの債務が3億3000万ウォン(約3000万円)であり、このうち賭博による借金が2億6800万ウォンであるという事実も公開した。「借金のため越北したと断定するのは難しい」としたが、脱南越北を裏付ける根拠の一つとして債務を挙げたのだ。
これは当初の北朝鮮軍の無線傍受などをもとにした国防部の説明と同じだが、北朝鮮側とは食い違った説明である。
北朝鮮は25日、統一戦線部の名義で韓国側に送った通知文で、Aさんについて、「北朝鮮側の側沿岸に浮遊物に乗って不法侵入した者に80メートルまで接近し、身元確認を要求したが、最初の一、二回は韓国の誰かだとごまかして返事をしなかった」と明らかにした。Aさんが脱南越北の意思を明らかにしたのかについては言及しなかったが、Aさんを「脱南越北者」というより「侵入者」と規定している。
Aさんの実兄はこの日、海洋警察の調査結果について「一方的な越北断言」と主張し謝罪と対面面談を要請するなど、自主的な脱南越北ではないという主張を続けた。
これに先立ち国防部は「北朝鮮軍の取締艇が上部の指示で行方不明者に射撃を加えたものと見られ、ガスマスクをかぶり防護服を着た北朝鮮軍が遺体に接近して燃やした状況が把握された」と明らかにした。
しかし、北朝鮮は「射撃後10 メートルまで接近して確認調査したが、正体不明の侵入者は、浮遊物の上にいなかった」とし「侵入者が乗っていた浮遊物は、国家非常防疫規定に従い現地海上で焼却された」と明らかにした。遺体ではなく浮遊物だけを燃やしたもので、遺体は流失したという主張だ。
韓国の海洋警察はこの日、これに対して「国防部の資料を見ると、北朝鮮軍の銃撃によって死亡したとされている」とし「遺体の損傷程度は確認できなかった」と明らかにした。国防部も同様に既存の判断を維持しながらも、今回の事件の関連諜報を再分析している。
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