第3回外交戦略調整会議で発言する康京和長官=28日、ソウル(聯合ニュース)
第3回外交戦略調整会議で発言する康京和長官=28日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は28日、第3回外交戦略調整会議を行い、米中対立が激化する状況で、安全保障、経済、科学技術、価値規範の4分野で韓国が取るべき対応の原則をまとめた。 外交戦略調整会議は、米中対立や日本による経済報復といった国際情勢の変化を受け、能動的な対外戦略を立てて政府と民間の有機的な対応を後押しする目的で昨年7月に発足した。3回目のこの日の会議には、外交部や国防部、企画財政部、統一部、産業通商資源部、保健福祉部、科学技術情報通信部など約10官庁の関係者と学界関係者など約50人が出席した。 会議を主宰した康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は最近の国際情勢について、「ささいな摩擦も激しい衝突に拡大する可能性があるのはもちろん、妥協点を探し協力を模索するのがさらに難しくなることが懸念される」との認識を示した。また「このような状況でわれわれは、より早期に、さらに強度が高まった対外的挑戦に直面する可能性を厳重に認識し備えなければならない」と指摘した。 「対外的挑戦」は、米中が自国内にある相手国の総領事館の閉鎖を命じるなど、激化する米中摩擦を念頭に置いたものとみられる。 康氏はこれまでの議論を通じて一貫して目指す方向を用意したとし、分野別の対応の原則を提示した。  安保分野では韓米同盟を強固にし、領域内の安定性が強化されるよう建設的役割を拡大していくとした。 経済通商分野では公正で互恵的であると同時に開放的で包容的な方向で規範に基づいたアプローチを強化していくとした。これに伴い、米国が構想する反中国経済ブロックとなる経済繁栄ネットワーク(EPN)には積極的に参加しない可能性が高まった。「規範に基づいたアプローチ」は、国際貿易秩序に反する日本の不当な対韓輸出規制を指すとみられる。  科学技術分野では戦略的開放性を堅持する一方、技術安保を強化するための努力も並行していくと強調した。これは米国が次世代通信規格5Gから中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)製品の締め出しを図るなど圧力を強める中、米中双方の立場を考慮するとの考えを示したものとみられる。 価値・規範分野では人類が共同で目指す価値を実質的に増進することに寄与していかなければならないと伝えた。 外交部の金健(キム・ゴン)次官補は会議後、記者団に対し、今後の外交の方向と関連し、「対外関係でわれわれが柔軟かつ一貫した枠組みを持つのが重要」とし、「われわれと似た中堅国と連携し、より先制的に国際秩序に対応していく」と話した。 ただ、政府が分野別の対応原則を用意したものの、米中の板挟みとなり、曖昧(あいまい)な部分も多く、実際の懸案に適用するのは容易ではないとの指摘もある。
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