韓国の兪明希通商交渉本部長(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国の兪明希通商交渉本部長(資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】世界貿易機関(WTO)の事務局長選挙への立候補者受け付けが8日(日本時間9日未明)に締め切られ、韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長(次官級)をはじめとする8人の候補が出そろった。韓国とアフリカからの候補の対決になるとの見方もあったが、締め切りの数時間前に英国が候補者を立てるなど、結果の予想がつかなくなった。WTO加盟国・地域に対する各国の働きかけがこれから本格化する。 兪氏以外の候補者の出身地は、英国、ナイジェリア、エジプト、ケニア、メキシコ、モルドバ、サウジアラビアとなっている。 韓国からの出馬はこれが3回目。中堅国の立場を強調し、支持を集めたい考えだ。利害関係が絡み合う米国、中国、欧州の間で中立的な役割を担うことができ、先進国と途上国間の橋渡し役にもなれるとアピールしていく。 兪氏は25年間、通商一筋で歩んできた専門家であり、新型コロナウイルス対策で世界的に女性のリーダーシップが注目されていることも攻略ポイントに挙げられる。これまでWTO事務局長を女性が務めた例はない。 一方、有力候補とされるナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相も女性で、アフリカからWTO事務局長が選出されたことがないという点でも有利とされる。ただ、アフリカ連合(AU)としての候補者一本化には至らなかった。 先進国の声を代表する欧州からは、モルドバのほかに、英国政府の推薦でフォックス前国際貿易相が名乗りを上げた。 立候補者は15~17日のWTO一般理事会で所信表明演説をし、加盟国・地域からの質疑に応じる。候補者は徐々に絞り込まれ、全会一致方式で選出される。選出まで通常は半年ほどかかるが、現職のアゼベト事務局長が8月末に退任するため、選出を急ぐ可能性もある。 兪氏は来週にも政府代表団とともにWTO本部を訪れる予定。韓国としては日本の対応も考慮する必要がありそうだ。 次期WTO事務局長は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国の国境封鎖によって停滞している世界貿易の活性化、通商紛争の解決に向けた最終審にあたる上級委員会の正常化など、山積する課題に取り組むことになる。
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