ソウル市内の保健所に設置された新型コロナウイルス検査場(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウル市内の保健所に設置された新型コロナウイルス検査場(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国で1月20日に新型コロナウイルス感染者が最初に報告されてから5カ月を迎えた。感染者数の累計は1万2000人を超え、死者は280人に上る。一時は落ち着きをみせるかのようだったが市中感染と国外からの感染者流入により全国的な再流行の兆しが見え始めている。 感染者数は、最初の感染者が確認されてから1カ月間は国外からの流入を中心に約30人だった。しかし、南東部の大邱市で確認された感染者が通っていた新興宗教団体「新天地イエス教会」の大邱教会で発生した集団感染により、同市と近隣の慶尚北道での大規模な流行につながり、累計感染者数は4月3日に1万人を超えた。 同教会の集団感染による感染拡大の勢いが弱まった後は1日当たりの新規感染者数が30人を下回る日が1カ月間続いたが、地域間の移動が増えた大型連休(4月29日~5月5日)後に首都圏のクラブやインターネット通販会社の物流センターを中心に集団感染が連鎖的に発生し、最近では全国に広がる様相を呈している。これに加え国外からの感染者流入も急増傾向にある。 ◇首都圏をはじめ全国に広がる感染者 国内の感染者数は21日午前0時現在で計1万2421人。最初の感染者が報告されてから約1カ月間は1日当たりの新規感染者数が1~2人だったが新天地イエス教会の大邱教会での集団感染により爆発的に増加した。 同教会の集団感染に関連する感染者は計5213人で、感染者全体の42.1%を占める。この集団感染の影響で大邱市の感染者数は全国1位の6898人、慶尚北道は2位の1384人に上る。 4月初めから大邱市と慶尚北道での感染者発生の状況が落ち着き始め、一時は国内の新規感染者は少ないときは1日に2人、多いときは50人を少し超える水準を維持した。これを受け政府は先月6日に、新型コロナウイルス感染拡大防止のために実施した「社会的な距離」を保つ措置から日常生活・経済活動と防疫のバランスが取れた「生活防疫」に移行した。 しかし、あいにくにもこのときから感染者数が再び増え始めた。大型連休後にいくつもの集団感染が次々と発生し、新規感染者数のグラフは右肩上がりになっている。 集団感染の影響で首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)の感染者数は急増した。ソウル市と京畿道の感染者数の累計は生活防疫が始まった先月6日はそれぞれ637人、681人だったが、20日現在、ソウル市は1202人、京畿道は1107人。仁川市は同じ期間に97人から328人に増加した。 最近は中部・大田市の訪問販売会社で集団感染が起きるなど全国で感染者が発生している。◇国外からの感染者流入も増加傾向に 国外からの感染者流入も増加傾向にある。21日午前0時現在の国外からの感染者数は計1435人に上る。 感染拡大初期は、中国・湖北省武漢市で感染した感染者が多かったが3月中旬から4月初旬にかけては感染者が爆発的に増加した欧州と米州からの流入が増え、多いときは1日に50人を超えた日もあった。 最近はパキスタン、バングラデシュなどアジアや中東諸国からの入国者のうち感染が確認されるケースが増えている。 国外から流入する感染者の大半は韓国人だが、外国人の割合も次第に上昇しており、20日現在、17.8%を占める。1カ月前(5月20日)の11.0%より6.8ポイント上昇した。 政府は国外から流入する感染者の増加を注視しながらも、今はまだ入国制限など追加措置を取るほどの状況ではないと判断している。これまで続けてきた特別入国手続きを通じて管理が可能だとの立場だ。 韓国では4月から全ての入国者を対象に2週間の自主隔離を義務付けている。また、入国者の健康状態と国内での連絡先、滞在先を確認すると同時に症状をチェックする自己診断アプリをスマートフォンにインストールするよう求めるなど特別入国手続きを施行している。
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